2018 Fiscal Year Annual Research Report
橋頭位ラジカル付加からの連続的炭素環構築を鍵としたトウセンダニンの全合成研究
Project/Area Number |
17J09521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 大之 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | バトラコトキシン / 収束的合成 / ステロイドアルカロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
バトラコトキシンは電位依存性ナトリウムチャネルに不可逆的に結合して強力な神経毒性を示す官能基密集型天然物である。本化合物は神経科学分野で重要な分子であるが、天然からの供給は限られている。また、その構造の複雑さゆえ合成には多段階を要する。本研究では、バトラコトキシン四環性骨格の効率的な合成法の確立を目的として、遷移金属を用いた分子間カップリング反応を鍵とする収束的合成計画を立案した。高度に官能基化されたフラグメントをカップリング反応によって連結できれば、バトラコトキシンの合成法を効率化できると考えた。 平成30年度は、バトラコトキシンの収束的合成において鍵となる3つの反応を実現した。第一に、遷移金属を用いた分子間カップリング反応により、AB環フラグメントとD環フラグメントを連結した。当研究室で合成法が確立されているAB環フラグメントに対して、新たに設計・合成した複数のD環フラグメントを用いて反応条件を詳細に検討した。その結果、高度に官能基化された2つのフラグメントを立体的に混雑した位置で収束的に連結できた。これにより、バトラコトキシンの合成工程数の大幅な短縮が期待できる。第二に、塩基性条件下、Dieckmann縮合によりカップリング成績体から良好な収率でC環を形成した。第三に、C12位からの脱炭酸により、C環形成のために必須であった1炭素ユニットを除去した。以上により、市販化合物からわずか12工程でバトラコトキシン4環性骨格の構築を完了した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)