2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J09589
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐用 かなえ 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 骨髄 / スフェロイド / 三次元培養 / 組織工学 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウス骨髄細胞を用いて、血球細胞を保持したまま長期間の培養が可能な骨髄様組織の作製に取り組んだ。 我々は以前より、非接着性の骨髄細胞を三次元的に組織化させることが可能であることを報告してきた。しかし、培養7日目には骨髄様内部に存在する血球細胞の減少が確認されていたため、血球細胞の減少を抑制する培養条件の確立が必須であった。そこで本年度は培養条件の検討を行い、骨髄様組織内に血球細胞を長期間保持することが可能な培養条件の探索に取り組んだ。幾つかの条件検討の結果、骨髄様組織内に少なくとも培養7日目まで血球細胞を保持することが可能な培養条件を見出した。さらに本年度見出した培養条件で作製した骨髄様組織について、フローサイトメーターを用いて血球細胞組成の解析にも取り組んだ。作製した骨髄様組織内には採取直後の骨髄細胞と同程度のリンパ球・単球・顆粒球等の白血球細胞群が存在していることが明らかとなり、今後は長期培養した際の血球細胞組成の解析にも取り組む。 本年度末には所属機関倫理委員会の承認を得ており、来年度からヒト骨髄細胞を用いた研究にも着手する予定である。 本年度得られた研究成果については外部発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄様組織を用いた様々なin vitroアッセイ系への応用を可能にするためには、長期間にわたって血球細胞が骨髄様組織内に保持されている必要がある。本年度の研究成果から、様々な培養条件の検討を行うことで少なくとも培養7日目までは骨髄様組織内に血球細胞を保持することが可能であることを示し、アッセイ系への応用を可能にするための第一歩となったと考えている。 本年度末には、所属機関の倫理委員会から、医学部付属病院の整形外科手術の際に得られるヒトサンプルを用いた研究を行う承認を得た。来年度はヒト骨髄細胞を用いて、マウス骨髄細胞と同様に骨髄様組織の作製が可能か検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度得られた培養条件を基に、高い生存率で血球細胞を内部に保持した骨髄様組織の作製に取り組む。具体的な方策としては、細胞外マトリクス(ECM)の利用や他種細胞との共培養を行う。 ヒト骨髄細胞については、マウス骨髄細胞と同様に骨髄様組織の作製が可能かどうかを検討し、作製した骨髄様組織内部の様子について薄切切片やフローサイトメーターを用いて検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)