2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17J09589
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐用 かなえ 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 骨髄 / 骨髄様組織 / 三次元培養 / FACS解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)異なる培養条件下における骨髄様組織内血球細胞割合の解析、(2)ヒト骨髄細胞の採取方法の検討およびヒト骨髄様組織作製とその解析に取り組んだ。(1)については、生体外での培養条件を比較する目的で、平面培養した骨髄細胞と三次元培養した骨髄様組織内細胞の割合をフローサイトメーターを用いて比較した。骨髄様組織の一部の血球細胞について、平面培養よりも生体内骨髄を模倣した結果や生体内や平面培養とは異なる三次元培養特有の結果が得られた。さらに骨髄様組織の長期生存率向上を目的として、複数の細胞外マトリクス(ECM)薄層充填による生存率に与える影響を検討した。マトリゲルや脱細胞化組織由来等のECMを検討した結果、非ECM充填サンプルと比較していくつかのECMで生存率が上回る傾向が見られた。(2)について、昨年度末に倫理委員会で承認を得たヒト骨髄細胞を用いた実験に取り組んだ。骨髄穿刺とは異なり外科手術中に得られる細胞を使用するため、採取部位や細胞調製過程の検討を詳細に行った。得られた骨髄細胞を用いて、マウス骨髄細胞と同様に骨髄様組織作製および組織化に成功した。 本年度2件の外部発表を行い、いずれも優秀演題賞と優秀演題賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関の倫理委員会承認を得た、ヒト骨髄細胞を用いた骨髄様組織の作製に着手した。本年度において採取部位の検討や採取後の細胞調整手順を確立し、マウス由来細胞同様にヒト由来細胞で三次元骨髄様組織を作製可能であることを明らかとした。ヒト骨髄様組織を利用した毒性試験などの種々のアッセイ系への応用が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度では、培養培地変更に伴いグルコーストランスポーター(GLUT1)が発現誘導されているか定量化を行う予定である。さらに、遊走を伴った炎症評価系の構築とヒト骨髄様組織内血球細胞の詳細なFACS解析を目指す。
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