2018 Fiscal Year Annual Research Report
積層型反芳香族化合物による三次元芳香族性の発現と機能化
Project/Area Number |
17J09817
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野澤 遼 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 芳香族化合物 / 反芳香族化合物 / ポルフィリン / ノルコロール |
Outline of Annual Research Achievements |
4n個のパイ電子を持つ平面共役化合物は反芳香族化合物と区分される。一般的に、反芳香族化合物は反応性が高く、不安定であるため、これまでその研究例は多くはない。未解明な反芳香族化合物の興味深い性質の一つに積層した反芳香族化合物が三次元的な芳香族性を示すという研究例がある。しかし、そもそも反芳香族化合物の合成自体が困難であるため、積層した反芳香族化合物の合成はこれまで達成されてこなかった。一方、報告者の所属する研究室で合成されたノルコロールニッケル錯体は明確な反芳香族化合物を示すにもかかわらず、高い安定性を示す。報告者はこれまでに積層したノルコロールニッケル錯体の合成に成功し、積層したノルコロールニッケル錯体においてその反芳香族性が大きく低下することを見出した。この結果より、三次元的な芳香族性の発現の兆候をつかむことができた。そこで、本年度において、報告者は明確な三次元的な芳香族性の発現を初めて実感的に明らかにすることを計画し、ノルコロールシクロファンの合成を目指した。ニッケル反応剤を用いたカップリング反応により、ノルコロール同士が短い距離で積層したノルコロールシクロファンの合成に成功した。さらに、X線結晶構造解析により、その構造を明らかにした。加えて、国際共同研究によりこのノルコロールシクロファンにおいて特異的な環電流が発生していることを明らかにした。最終的に、報告者は本研究内容を国内学会において口頭発表した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)