2019 Fiscal Year Annual Research Report
19th Cebntury International Relations of East Asia over Ryukyu
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17J10174
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 子康 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 琉球 / 通事 / 牧志朝忠 / 尚家文書 / 琉球王国評定所文書 / 福州 / 国際関係史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は主に以下二点ある。 第一に、昨年度より継続して、「逗留西洋人退去請願運動」について論文執筆を進め、投稿を待つ段階となっている。 第二に、初年度から昨年度の研究で琉球における西洋語通事の制度的全体像を概観し、位置づけたが、これに続いて個々の通事を取り上げて、ミクロな視点からの考察が必要になると考え、西洋語通事の中でも最も大きなプレゼンスを持ち、史料状況も比較的充実している牧志朝忠をとりあげた。従来の研究は牧志を二つの側面からとらえてきた。一つ目は、中国語と英語を使いこなし、西洋人を相手に困難な交渉を切り抜けた通事としての牧志であり、二つ目は、島津斉彬に抜擢され、王府の重役として斉彬の政策に協力し、やがて牧志恩河事件により失脚して悲劇的な最期を遂げた政治家としての牧志である。この二側面は往々にして別々に検討されてきたが、通事としての牧志と政治家としての牧志は本来不可分のものであって、牧志の通事としての経験・才能が彼を王府の中枢に押し上げ、同時に彼の失脚をまねいたこと、それを一連の流れの中で解き明かした上で、琉球処分直前のこの時代に牧志が果たした役割の意義を提示する必要がある。近年公開が進んだ「尚家文書」中には牧志に関連する新史料が散見され、これらは従来詳細が知られていなかった、牧志の後半生をちょうどカバーする。新旧史料を用いて牧志の生涯を可能な限り復元し、特に通事としての活躍から王府中枢への抜擢、失脚までの流れを丹念に位置付け、その過程で、王府が牧志に期待したこと、牧志が実際になし得たこと、牧志自身の思想の変化、牧志にとっての西洋語通事職が持つ意味といった諸点の解明を目指す。本研究の中間報告を2020年2月に京都大学人文科学研究所「転換期中国における社会経済制度」共同研究班において発表した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)