2017 Fiscal Year Annual Research Report
獲得形質の次世代への継承におけるsmall RNAの機能解析
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17J10373
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡部 恵美子 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ストレス耐性 / Small RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
長い間生物学において、後天的に獲得した形質が子孫に継承されることは否定されてきた。ところが近年、環境によるストレスや栄養状態などの影響が、次世代へ継承されることを示唆する報告がされてきている。しかしながら、その現象の詳細な分子機構は未だ明らかになっていない。本研究は、線虫を用いて環境ストレスにより誘導されるストレス耐性が、次世代へと継承される分子機構を解明することを目的としている。Small RNAは、タンパク質をコードしない約20~30塩基の短いNon-coding RNAで、遺伝子の発現制御に関わることが知られている。私は今年度の研究において、Small RNAによる遺伝子発現制御が、環境ストレスにより誘導されるストレス耐性の継承に関与しているかを調べるため、Small RNA機構の制御因子が親世代および子世代のストレス耐性にどのような影響を与えるか検討した。さらに、ストレス耐性の獲得および継承において、それらSmall RNA機構の制御因子がどの組織で機能することが重要であるか解析した。これらの結果から、環境ストレスにより誘導されるストレス耐性の継承に、Small RNAによる遺伝子発現制御が関与することを示唆する結果が得られた。今後は、ストレス耐性の継承を担うSmall RNAとその制御遺伝子について、詳細な解析を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、環境ストレスにより誘導されるストレス耐性の継承において、Small RNA機構の制御因子が関与することを示唆する結果が得られた。よって、研究の進捗状況はおおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ストレス耐性の継承を担うSmall RNAの同定し、その制御遺伝子について詳細な解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)