2019 Fiscal Year Annual Research Report
癌特異的な代謝活性の発見と制御に向けたsynthetic biologyの新手法
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17J10604
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳 光一 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ケミカルバイオロジー / がん / 代謝活性 / cell-based assay / 蛍光プローブ / 阻害剤スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、開発した細胞外代謝物を検出する新規蛍光プローブを用いて、がんの治療標的の1つとされるMethylglyoxal(MG)代謝系の生細胞レベルでの活性を評価することに成功している。MG代謝系の基質であるMGを添加してその後細胞外に放出される代謝物D-lactateを蛍光プローブにより検出することでMG代謝系の活性を評価するアッセイについて、本年度はこのHTS系を用いて新規MG代謝系阻害剤の探索を行い、生細胞レベルで機能する新規MG阻害剤の取得することに成功した。 このようなある基質(input)を添加しその後細胞外に放出される代謝物(output)を検出することで特定の代謝経路の活性を評価するアッセイ系(Pathway-Oriented Screening(POS)法)の汎用性を示すため他の代謝経路へ適用することとした。具体的には前年度までに肺がん細胞(A549)が正常細胞(NHBE)と比較してGlnを添加後に細胞外に放出されるAsnまたはSerが無添加時と比較して増加することが見出されており、特にGln添加後の細胞外Asnは多くのがん種で増大したことからGln->Asnという代謝経路が亢進していることが示唆されていた。本年度はこのGln->Asn代謝経路の活性を蛍光プローブで評価し、MG代謝系と同様にセルベースの阻害剤スクリーニングを行った。得られたヒット化合物のうち、GlnをGluへ代謝する酵素GLSを阻害する化合物が得られ、これは細胞ライセートを用いたin vitro試験では阻害活性を示さない一方で生細胞を用いたin celluloの試験では阻害活性を示すという結果を得た。 生細胞でのみ阻害活性を示す新規Gln->Asn代謝経路阻害剤を得られ、複数の代謝経路にも適用可能であったことから申請者の開発したPOS法の有用性・汎用性を示す結果を得られたと考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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