2018 Fiscal Year Annual Research Report
ピロール・イミダゾールポリアミドを用いたテロメアにおけるクロマチン高次構造の解析
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17J10836
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
佐々木 飛鳥 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | テロメア / ピロール・イミダゾールポリアミド化合物 / ノンコーディングRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の染色体末端はテロメアという繰り返し配列によって保護されている。この繰り返し配列は細胞分裂のたびに短縮していく。一部のがん細胞では、テロメアDNA同士の相同組み換えによってテロメア長が維持され、細胞が無限増殖能を獲得する。この機構はテロメラーゼ非依存性テロメア伸長(ALT)と呼ばれるが、なぜテロメア間での相同組み換えが働くようになるのかはわかっていない。本研究では、テロメアに特異的に結合するピロール・イミダゾールポリアミド化合物を用いてテロメアDNA上のクロマチン構成因子を網羅的に同定する方法を開発し、ALTの誘導機構とALT細胞の特徴を明らかにすることを目的とした。 テロメラーゼ依存的にテロメアを伸長する細胞(ALT(-))およびALT細胞(ALT(+))からテロメアクロマチンを単離し、テロメアに結合するRNAを次世代シークエンサーで解析した。その結果、ALT(-)では期待した通りテロメラーゼRNA構成要素(TERC)が特異的に検出された。一方、ALT(+)では、驚くべきことに多数のイントロンRNAが選別された。これらのイントロンRNAをコードしている遺伝子領域を調べたところ、ALT(+)細胞特異的にテロメア反復配列が挿入されていた。次にALT(+)のイントロン領域と染色体末端のテロメアとの関連性を検討するため、RNA FISHとテロメア共標識を行いイントロン領域と染色体末端領域の局在を調べたところ、イントロンRNAのシグナルがテロメアの近傍もしくはテロメアと共局在した。この結果は、テロメア反復配列が挿入されたイントロン領域が染色体末端に近接していることを示唆する。今回の研究から、ALT(+)の細胞では既知の染色体末端のテロメア同士の相同組み換えだけでなく、染色体末端のテロメアとイントロン領域のテロメア反復配列間での相同組み換えが促進される可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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