2017 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPR/Cas9スクリーニングによるAβ及びtauのクリアランス機構の同定
Project/Area Number |
17J10935
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老沼 五百理 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画において、Aβ取り込みスクリーニングの結果の再評価、及びその知見を活かしたTau取り込みスクリーニングの系の構築が予定されていた。前者について、候補遺伝子をスクリーニング系およびその解析から選び、個別にゲノム編集を行うことで評価した。これについて、インタラクトーム解析から得られた免疫系の遺伝子が及ぼす影響などについて再現性を確認するとともに、ゲノム編集の効率や培養細胞のみならず初代培養などを用いて評価している。一方、Tau取り込み能力の評価系およびスクリーニング系の構築について、検出について三種類の評価系を比較した。細胞内凝集の検出については、単なる細胞内のタンパク量を比較すればよかったAβのスクリーニング系とは異なり、凝集の何らか特徴を検出しなければならない。また、スクリーニングへの応用の観点から、蛍光検出(FACS)での応用可能性が無ければならない。FRET(凝集内のタンパクの高度な接近)、semi-intact cell(最近毒素による表面膜の孔に対し、不溶性凝集体は通過できない)、凝集特異プローブ(PBB3を始めとした凝集特異蛍光プローブ)による検出の検討を行い、前者二つは再現性、S/N比、FACS後の生存性についてスクリーニング系の要求を満たさなかった。この凝集特異蛍光プローブを用いて、tauスクリーニング系の構築を行うことを決定した。Tauの頻用されるコンストラクトには全長か特定のドメインか、野生型かFTLD型変異かのおおむね4種類があり、それぞれについて安定的にプローブ陽性凝集体が保持された細胞系を作出するとともに、動物病理モデルとの一致を確認し、これらの蛍光検出されたプローブが免疫学的/生化学的に病理モデルとして妥当であることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って進行している。Tau凝集を安定に保持した細胞系の作出と評価は必ずしも安定しておらず、当初の計画にあったすべての選択肢が可能になったわけではない。NGS及び検出系の検討に急ぎ入るべきであり、当初の計画に従って実験を進行させていく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、確立した検出系を用いて全ゲノムスクリーニングを行う。スクリーニングライブラリー及びライブラリーのNGSによる解析系を含めた最適化と、スケールを拡大した場合の検出系の最適化が必要となる。 そののちは必要なインタラクトーム解析及びパスウェイ解析を行うほか、個別に再現性の確認などを目的とした2ndスクリーニングを行う。
|
Research Products
(1 results)