2019 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイドsiRNAスクリーニング陽性因子解析によるSOD1構造制御機構の解明
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17J10965
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪田 充司 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | SOD1 / ALS / ゲノムワイドsiRNAスクリーニング / 亜鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は発症メカニズム不明の神経変性疾患である。SOD1は遺伝性ALSの原因遺伝子であり、当研究室の先行研究においてALSで見られる100種類を超える変異型SOD1は野生型とは異なる異常な構造を取ることを明らかにした。さらに野生型SOD1も亜鉛欠乏刺激によって、遺伝子変異が入った変異型SOD1と同様の異常構造をとることが明らかになった。しかしながら、亜鉛欠乏下でSOD1が構造変化する分子メカニズムを明らかになっていなかった。そこで本研究ではSOD1の構造変化メカニズムを明らかにすることで、ALSの病態発症メカニズムに迫ることを目的とした。当研究室では以前ゲノムワイドsiRNAスクリーニングによってSOD1の構造変化に必要な因子の探索を行っていた。本年度はゲノムワイドsiRNAスクリーニングで陽性となっていたあるキナーゼに着目して機能解析を通じ、亜鉛欠乏依存的なSOD1の構造制御メカニズムの解明を試みた。解析結果からそのキナーゼが亜鉛欠乏依存的なSOD1の構造変化に必要であることを確認し、またキナーゼ活性が必要であることも確認した。さらに下流キナーゼの必要性も確認できた。また、このキナーゼ経路の活性は定常状態でのSOD1の構造変化に必要十分であることも同時に確認できた。さらにALSで見られるある原因遺伝子による変異体産物がこのキナーゼ経路を活性化し、SOD1の構造変化を促進する可能性も明らかとなった。ALSにおけるSOD1以外の原因遺伝子がSOD1の構造変化を促進しALSの原因となる可能性を示したことは、ALSの病態発症メカニズムの解明に向けて大きな成果があったと言える。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)