2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J11106
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 歩 芝浦工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | シリカ膜 / 逆浸透膜 / 化学蒸着法 / 細孔径制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シリカ系膜の気体および液体透過性を評価し、酢酸の逆浸透分離への応用を目指した。具体的には、(1)異なるシリカプリカーサーで作製したシリカ系膜の気体透過性と細孔評価、(2)中性分子および荷電分子の液体透過性、(3)酢酸逆浸透分離を検討した。異なる有機置換基をもつ7種類のシリカプリカーサーを用い、化学蒸着法でシリカ系膜を作製した。これらのシリカプリカーサーは、有機置換基の種類により、アルキル基グループ、フェニル基グループ、アミノアルキル基グループと3つに分類した。シリカプリカーサーの加水分解粉末の熱重量測定から、各温度での有機置換基の残存量を推定し、各蒸着温度で作製したシリカ系膜の細孔径は、3種類の無機ガスの気体透過性から算出した。これより、有機置換基が減少する温度域で、シリカ系膜の細孔径が大きくなる傾向が示された。大きなフェニル基グループやアミノアルキル基グループのシリカプリカーサーは、最大細孔径が0.6nmよりも大きな膜を得られるため、液体透過性の高い逆浸透膜の開発に適していることを明らかにした。フェニル基をもつシリカ系膜の中性分子と荷電分子の液体透過性を評価したところ、分子量46-972の間で、荷電分子阻止率は中性分子阻止率よりも5-20%高いことがわかった。さらに価数の大きな陰イオンほど阻止率が高いことから、膜表面荷電が分離に影響を与えていることを示した。また細孔径0.9nmに近い大きさのMg2+(0.86nm)をもつ荷電分子は、阻止率が最大となり、分子ふるい機構での分離が示唆された。酢酸逆浸透分離試験は、アミノアルキル基をもつアミノプロピルメチルジエトキシシランを300℃で蒸着させた膜を用いて行った。酢酸阻止率は20%であった。電離度の低い酢酸は、膜表面との静電的相互作用よりも分子ふるい機構による分離が支配的であることがわかった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)