2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J11272
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
本庄 総子 奈良女子大学, 文学部, 特別研究員(SPD)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | 籍帳制 / 税帳 / 房戸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(X)戸籍制度と(Y)正税制度という二つの制度を分析し、両制度の変化の因果関係を解明することで、律令国家の転換を捉え直そうとするものである。本年度の実績の概要は、それぞれ次のとおり。 (X)戸籍制度 中国歴代王朝の戸籍のあり方を、秦代から清代まで概観し、その中における唐代戸籍の位置を考察するとともに、同時期の日本の戸籍の特質を追求した。さらにこれを土台として、日本における房戸制導入の契機を推定した。 日本の戸籍の特質については、既に多くの議論があるが、その「日本的特質」に対比される唐の戸籍については、トルファン出土文書など、いわゆる辺境地域で発見された零細な史料に多くを負っている。しかしながら、これら現存唐代戸籍から看取される戸の性質が、当時の他の史料と矛盾する点も多々確認できるため、前後の時代を見通しつつ、唐代戸籍にかかわる史料を分析した。結果、現存唐代戸籍とは性質を異にする戸籍も多く存在していたことが明らかになり、現存戸籍のみを根拠として唐代戸籍の一般的性質を論じることは危険であることを確認した。これを踏まえた上で、「家」という概念を媒介として、日本の戸籍との差異を論じ、日唐戸籍の関係を捉え直した。 さらに、戸籍作成の手続日程の比較、房戸制下の帳簿書式の分析結果から、房戸制の導入契機と、正税制度との関わりについても明らかにした。 (Y)正税制度 現存する税帳から、当時の管理制度に顕著な精緻さと杜撰さが共存する点に着目し、その背景に存在する、担当官人の法令遵守意識の特質を明らかにした。さらに、こうした意識が、八世紀日本の政治・社会状況といかなる関係があるかについても論じた。具体的には、天皇に対する官人奉仕のあり方と、中央・地方間の軍事的関係という視点から論証を行った。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)