2019 Fiscal Year Annual Research Report
付着共生の成立や維持を図る外部共生菌の生理・形態学的な特徴の解明
Project/Area Number |
17J11518
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元木 香織 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 微生物生態学 / 深海熱水噴出孔 / 共生 / 化学合成細菌 / メタトランスクリプトーム / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、深海熱水噴出域の代表的な生物種であるゴエモンコシオリエビとその腹部柔毛の表面に付着する外部共生菌が付着・共生に至るまでにおいて、宿主もしくは共生菌による選抜が行われている可能性が考えられることから、外部共生菌における付着共生の成立や維持のメカニズムを生理・形態的特徴からアプローチし解明することにある。当初の研究計画では実験室の飼育水槽で飼育していた宿主個体を用いた計画を組み込んでいたが、個体の脱皮や死亡などの理由で実行が困難になったため、初年度から計画を一部見直し、メタオミックス解析からアプローチした。まず外部共生菌の生理・生態を網羅的に解明することを目標としてメタトランスクリプトームデータの解析に着手し、これまでの研究で知られていた菌叢を優占する分類群がアクティブで主要な分類群として認められた。16S rRNA遺伝子配列のクラスタリング解析の結果からは、各分類群が複数のoperational taxonomic unit (OTU) から成る菌叢構造であること、またその構造が宿主個体間で類似することが示された。このことから外部共生菌叢は少数の創始的な種に由来するのではなく個体間や環境間で交換されながら水平伝播することが推測された。本研究の成果は原著論文として国際誌に投稿し、現在査読プロセスにある。以上メタトランスクリプトーム解析の結果は本研究を遂行するにあたり、OTUレベルなどのより高解像度な解析の必要性を示している。そこでロングリードシーケンサーPacBioを用いたショットガンシーケンスを行い、比較ゲノム解析を実施した。前年度に取得した約40万本のリードを用いて解析プロセスの検討と評価を進める中で、リード数の制約によって遂行が困難なことが見通されたため、今年度はさらにデータを拡充し、外部共生菌叢の成立や維持の機構を紐解くための解析を実施した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)