2017 Fiscal Year Annual Research Report
アレイデータによる繰り返し数の多いコピー数多型の同定手法の開発と疾患との関連解析
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17J11574
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
山崎 茉莉亜 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | リポタンパク / LPA遺伝子 / コピー数多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】(1)SNPアレイを用いた網羅的な繰り返し数の多いコピー数多型(0~50コピーまでのCNV)の同定方法の開発(2)繰り返し数の多いコピー数多型であるLPA遺伝子のKIV2多型と循環器疾患およびがん、Ⅱ型糖尿病との関連の探索
【研究の背景及び問題点】これまでのSNPなどの既知の遺伝子多型に着目した研究だけでは説明しきれない『Missing heritability』がある。申請者はその解決策としてCNVに着目し、睡眠障害においては説明しきれなかった遺伝率の一部がCNVで説明される可能性が示唆された。睡眠障害だけではなく、CNVが失われた遺伝率の一部を説明している可能性は高く、様々な疾患を対象に研究がなされるようになった。例えば、コピー数が0~4程度のCNV(low-copy CNV)は精神神経疾患との関連が明らかになった。コピー数が0~9ほどのCNV(medium-copy CNV)に関しても、HIVとCCL3L1、クローン病とDEFB4、BMIとAMY1など、様々な疾患との関連が議論されている。しかし、0~50ほどのhigh-copy CNVと疾患との探索研究は、測定技術が難しいことから研究が進んでいない。
【平成29年度の研究実施計画】次年度に使用する参照データのサンプルセットの選定を行う。これらを対象に、主にLp(a)濃度を測定し、KIV2のコピー数の決定をddPCRなどで決定する。また、Genotyping chipで遺伝子データの取得も行う。実験によるデータとSNPアレイデータの両者を持つ検体に対して、混合ガウス分布(Gaussian Mixture Model; GMM)を用いて、混合数の推定及びクラスタリングを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【平成29年度の研究実施内容】 本研究の実施状況は、参照データのサンプルセットの選定を行った結果、循環器疾患及びがん患者を含む剖検例を有する東京都健康長寿医療センターと共同研究を行うことが決定している。既に、先のセンターで収集した剖検例の①血中Lp(a)濃度情報、②循環器疾患及びがんの臨床情報、③全ゲノムSNP情報の使用の承諾を取得した。また、本研究では同検体のDNA試料を利用することから、現在、先のセンターにて倫理委員会とバイオバンクにて倫理申請手続きを行い承認を得た。 上記の検体を対象にKIV2多型のコピー数の測定を行うために、適切なプローブや手法の選定を行い、DNAチップ研究所に実験を依頼した。 本研究を遂行するにあたり幅広い分野の諸先生方にご協力とご支援を頂ける体制を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは48例を対象にした実験結果をもとに、最適な実験の手法を確定する。それを踏まえて、数百例に対象検体を広げて実験を行う。並行して、全ゲノム情報の東京都健康長寿医療センターから授受を受け、実験結果と合わせて開発手法の選定を行う。また、疾患との関連解析も行う予定である。
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