2018 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎を制御するマイクロRNA依存性のDNMT1発現機構の解明
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17J40074
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
芳田 祐子 武蔵野大学, 薬学部, 助教
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / アレルギー / 遺伝子導入機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続きアレルギー性皮膚炎における樹状細胞のDNAのメチル化解析を行った。また新たに、外来遺伝子がゲノムに組み込まれる機構について解析を行った。 現在遺伝子導入技術についての研究が進み、一定条件のもと目的の遺伝子を持つ細胞を得ることが可能となった。遺伝子導入を疾患治療法として応用する試みも行われている。これまでに、遺伝子導入に用いるベクターの安全性には不明点が残されている。一方で、ベクターを用いない遺伝子導入法は、ゲノムに挿入される目的遺伝子の位置がランダムであり、挿入位置によっては他の遺伝子の発現などに影響する可能性があるなどの問題がある。そこで、これまで不明であった、ゲノムへの遺伝子導入機構を制御する、ゲノム側の要因を解明することにより、より効果的な遺伝子導入技術への応用に貢献する基盤を形成することを目的に解析を行った。外来遺伝子がゲノムに組み込まれる機構の解析について、遺伝子組み込みにおけるゲノム側の特性に着目して解析を行うため、ウィルスベクターを使用せず、生体内細胞に遺伝子を直接移入する方法である、ハイドロダイナミックインジェクション法を用いて実験を行った。この方法により特に肝細胞に高い効率で遺伝子導入することができるため、肝細胞のゲノムへの遺伝子組み込み機構に着目して解析を行うことができる。これまでに、EGFPを発現するプラスミドDNAを用いてインジェクションを行い、EGFP発現を指標として、プラスミドが取り込まれた細胞を単離した。単離した細胞のゲノムDNAを精製し、マウスSINE配列を標的とするプライマーを用いて、PCR法によりゲノムに組み込まれたプラスミドDNAが検出されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究機関の移動に伴い、アレルギー性皮膚炎における樹状細胞のDNAメチル化解析について実験計画通りに遂行することが難しく、遅れている。また、新たに開始した、外来遺伝子がゲノムに組み込まれる機構の解析について、現在以下の点について解析を行っている。 1.生体内遺伝子導入法によるゲノムの遺伝子挿入位置と効率の確認 2.遺伝子挿入位置とゲノム構造との相関性の解明 3.ゲノム構造変動による疾患モデルマウスを用いた遺伝子導入効果の証明
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギー性皮膚炎における樹状細胞のDNAメチル化解析を引き続き行い、特定遺伝子のメチル化変動のこれまでの解析結果をまとめる。外来遺伝子がゲノムに組み込まれる機構の解析について、ハイドロダイナミックインジェクション法を用いて実験を行う。ハイドロダイナミックインジェクション法により導入したプラスミドDNAが核内でどのような状態で存在しているかについて現在解析を行っている。
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Research Products
(1 results)