2017 Fiscal Year Annual Research Report
The temporal feature in EEG during the arising of body consciousness
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17J40078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
温 文 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 運動主体感 / 脳波 / 身体意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度において,イギリスのInstitute of Cognitive Neuroscience, University College Londonに渡航し,Prof. Patrick Haggardのグループと共同研究を行った.1年目に計画されている「運動主体感の生起の時間特性の解明」に関する研究を遂行し,延べ300人分以上の行動実験および脳波実験データを集め,期待通りの研究が進展したと思われる.1年目の主な研究成果として,行動実験,脳波のevent-related potential(ERP),およびsteady-state visual evoked potential(SSVEP)という手法を用いて,運動主体感の生起が注意および知覚感覚処理に与える影響を調べた.これらの研究成果は運動主体感の生起の時間特性に解明に繋がると考えられる.さらに,運動主体感を獲得または喪失した際の知覚(i.e., 気づき)の時間特性を行動実験および脳波を用いて,研究を進めている.その成果として,Prof. Haggardとの共著論文を国際学術誌Journal of Cognitive Neuroscienceに発表した.そのほか国際学術論文2篇が査読を受けている. 具体的に,本年度では運動主体感の生起または喪失に引き起こされる注意及び知覚感覚処理の変化について,行動実験および脳波実験を用いて3つの研究を行った.研究1では運動主体感の生起または喪失が注意に与える影響を調べた.研究2では主に行動実験を用いて,連続的な動作で運動する物体をコントロールする際に,運動主体感の有無のカテゴリー特性,およびその有無が運動-視覚関連性の判断に与える影響を調べた.研究3では脳波のSSVEPという手法を用いて,運動主体感が知覚感覚処理に与える影響を調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画されている研究をすべて遂行し,延べ約300人分の行動実験及び脳波実験のデータを取得できた.その成果として,国際学術論文1編がすでに掲載され,そのほか2篇が投稿中になっている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はこれまでの研究成果を踏まえて,身体所有感の生起に関する時間特性の解明に取り込む.さらに,1年目の研究テーマである運動所有感の生起に関する成果を統合失調症患者の研究に発展し,運動主体感の失調及びその背後のメカニズムの解明に取り込む.イギリスの共同研究先では実験環境が整えているため,平成30年4月から7月の間(約3か月間)は再度イギリスに渡航し,実験を実施する予定である.
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Research Products
(6 results)