2019 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア帝国併合前後の中央アジアにおけるイスラームと地域社会の変容に関する研究
Project/Area Number |
17J40138
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
河原 弥生 中央大学, 文学部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | タリーカ / 中央アジア / ロシア帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コーカンド・ハーン国期からロシア帝国統治期にかけての比較的長期間のフェルガナ盆地のイスラームと地域社会の動態を、収集史料を含む一次史料に基づいて、具体的な諸事件を鍵としながら分析し、中央アジアにおけるイスラームの変容を究明することを目的としている。 本年度は第一に、ハンガリーの科学アカデミー図書館、ドイツのバイエルン州立図書館において史料収集を行った。ハンガリー科学アカデミー図書館の東洋コレクション部門には中央アジア旅行家・東洋学者ヴァーンベーリ(1832-1913)の中央アジアにおける収集品が含まれており、コーカンド・ハーン国史および隣接する東トルキスタン史に関する学界に未知と思われるペルシア語、チャガタイ語写本を調査することができた。史料の乏しい当該地域・時期のイスラーム史に関して新たな歴史叙述を含む可能性のあるこれら史料の分析が次の課題である。 第二に、コーカンド・ハーン国期のタリーカに関する重要史料、ムハンマド・ハキーム・ハーン著『選史』の改訂出版と本格的な史料研究に向けて編集作業を進めた。とりわけ、『選史』の四分の一の分量を占める著者のメッカ巡礼の旅行記に関して、滞在先の各国・地域の同時代の状況について各地の歴史との照合を進めた。また、四写本が現存する本書のチャガタイ語翻訳について、ウズベキスタン共和国科学アカデミー東洋学研究所594写本を主史料としてペルシア語写本との比較作業を行なった。 また、2020年3月にインドにおいてThe Association for the Study of Persianate Societiesに参加して研究発表をおこない、あわせてナクシュバンディー教団の改革派ムジャッディディーヤの発祥地であるパンジャーブ州スィルヒンドにおいて現地調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの影響で中止せざるを得なかった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)