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2019 Fiscal Year Annual Research Report

皮膚における高内皮静脈様血管の形成メカニズムとその役割の解明

Research Project

Project/Area Number 17J40146
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

小野 さち子  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD)

Project Period (FY) 2017-07-03 – 2021-03-31
Keywords高内皮静脈様血管
Outline of Annual Research Achievements

申請者は皮膚におけるHEV様血管の形成メカニズムとその役割を解き明かすことを研究目的と設定しており、以下の3つに分け段階的に研究を進めている。今年度は、皮膚におけるHEV様血管の形成メカニズムのさらなる解明について前年度に引き続き研究を行った。
・皮膚におけるHEV様血管の形成メカニズムの解明
・皮膚HEV様血管と免疫細胞の相互作用の解明とイメージング
・皮膚HEV様血管の生理的あるいは病態的意義の解明
昨年までの検討でMC903の皮膚への外用によって誘導されるアトピー性皮膚炎モデルにおいて、皮膚のHEV様血管形成が効率的に認められた。本マウスにおいて、CD11cDTRマウス及び阻害抗体を用いた実験から、CD11c陽性樹状細胞およびLT-LTβRシグナルがHEV様血管形成に強く関与している可能性が示唆された。そこで樹状細胞がLTを発現する上流の刺激として、まずIL7-IL7Rの関与を考えたが、昨年までの検討で否定的あった。そこで、IL-7と共通の構造を持ち、MC903モデルでケラチノサイトより産生され、樹状細胞の活性化に重要とされるTLSP-TSLPRシグナルが肝要ではないかと考えた。そこで、TSLPRKOマウスでHEV様血管形成を評価したところ、CD11cDTRマウスと同等の抑制効果を認めた。今後、TSLPRKOの骨髄キメラマウスを作成し、放射線感受性の樹状細胞のTSLPRが重要かを確認予定である。また、TSLP刺激によって、培養下で、骨髄由来樹状細胞のLTの発現量が増加することをフローサイトメトリーにて確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

この1年間、申請内容である皮膚におけるHEV様血管の形成メカニズムとその役割の解明について研究を進め、皮膚におけるHEV様血管がどのような細胞の影響下に、どのような分子メカニズムで形成されるのかに対して、申請書に記載した研究項目を予定通り一部達成するとともに学会発表を含めた研究活動を行った。以上から、期待以上の研究の進展があったと考える。

Strategy for Future Research Activity

・昨年までの検討でMC903の皮膚への外用によって誘導されるアトピー性皮膚炎モデルにおいて、皮膚のHEV様血管形成が効率的に認められた。本マウスにおいて、CD11cDTRマウス及び阻害抗体を用いた実験から、CD11c陽性樹状細胞およびLT-LTβRシグナルがHEV様血管形成に強く関与している可能性が示唆された。これをさらに正確に評価するために、樹状細胞特異的にLTを欠損するCD11cCre: LTbflox/floxマウスを海外(Dr. Tumanov Alexei, University of Texas Health Science Center-San Antonio)より共同研究にて輸入し、現在繁殖中である。
・人のアトピー性皮膚炎においてもHEV様血管が誘導されるかを確認するべく、既存のscRNAデータを活用し、解析を試みたところ、LTソースとして、T細胞の関与が示唆された。このため、T細胞特異的にLTを欠損する、lckCre:LTbflox/floxマウスを作成すべく、lckCreマウスを京都大学の他の研究室より導入し、CD11cCre:LTbflox/floxマウスと比較を行いたいと考えている。
・今後、マウスのMC903塗布後の皮膚においても、scRNAあるいはHEV様血管を含む、それぞれの血管のRNAsequenceを施行し、皮膚において誘導されるHEV様血管の特殊性やリンパ管HEVとの相同性を評価していきたいと考える。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Abl family tyrosine kinases govern IgG extravasation in the skin in a murine pemphigus model.2019

    • Author(s)
      Ono S, Egawa G, Nomura T, Kitoh A, Dainichi T, Otsuka A, Nakajima S, Amagai M, Matsumoto F, Yamamoto M, Kubota Y, Takai T, Honda T, Kabashima K.
    • Journal Title

      Nat Commun.

      Volume: 4432 Pages: 4432

    • DOI

      10.1038/s41467-019-12232-3

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Murine neonatal skin mast cells are phenotypically immature and minimally sensitized with transplacentally transferred IgE.2019

    • Author(s)
      Honda Y, Ono S, Honda T, Kataoka TR, Egawa G, Kitoh A, Otsuka A, Nakajima S, Nomura T, Dainichi T, Kabashima K.
    • Journal Title

      J Allergy Clin Immunol.

      Volume: 144 Pages: 617-620

    • DOI

      10.1016/j.jaci.2019.05.011

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Ablファミリーチロシンキナーゼが抗体の血管外輸送を制御する2019

    • Author(s)
      小野さち子
    • Organizer
      聖護院カンファレンス
    • Invited
  • [Presentation] 右下腿潰瘍の加療中に脳梗塞を発症した抗リン脂質抗体症候群の一例2019

    • Author(s)
      小野さち子、本田哲也、椛島健治
    • Organizer
      日本免疫皮膚アレルギー学会
  • [Book] ランゲルハンス細胞と真皮樹状細胞の機能的差異.炎症と免疫. 22020

    • Author(s)
      小野さち子、椛島健治
    • Total Pages
      4
    • Publisher
      先端医学社

URL: 

Published: 2021-01-27  

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