2017 Fiscal Year Research-status Report
モバイル端末を対象としたMPEG-DASHシステムの研究開発
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17K00144
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
久松 潤之 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (90434802)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ストリーミング / MPEG-DASH / TCP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、モバイル端末を対象とした MPEG-DASH システムを研究開発する。このシステムでは、有線のIP ネットワークと、無線のモバイルネットワークから構成される。有線ネットワーク中に配信のためのサーバがあり、有線ネットワークとモバイルネットワークの間に中継のためのエッジサーバ、そして、モバイルネットワーク中に、モバイル端末、いわゆるスマートフォンがある。2017年度は、有線の IP ネットワーク部分における TCP の転送速度の予測を行った。
MPEG-DASH では、動画をチャンクとよばれる小片に分け転送し、それを再生する。一つのチャンクで、2秒程度の動画の再生ができ、チャンクの転送の度に、次に必要なチャンクのビットレートを決定する。現在から2秒程度先の短期間の TCP の転送速度の予測を行った。サーバ・エッジサーバ間は、有線の IP ネットワークであり、モデル化の前提として、利用可能帯域は十分にあるとした。
TCP の転送速度は、TCP の輻輳制御機構により制御されている。TCP の輻輳制御機構は、往復伝搬遅延時間単位で制御されている。往復伝搬遅延時間を単位として、TCP の振る舞いをモデル化し、その転送速度を求めた。また、パケットレベルのシミュレーションを行い、その妥当性を確認した。なお、すでに TCP の転送速度の予測の研究は多数あるが、それらは、十分に時間がたった後の TCP の平均的な転送速度の予測であり、これをそのまま適用することはできない。この検討単独で、トランスポート層分野の研究として、新規性、また意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、モバイルネットワーク部分の転送速度の予測のモデルを、2017年度中に確立する予定であった。シミュレーションによる評価が完全に終わっておらず、そのため、やや遅れているとしている。学術的な困難に直面してはおらず、大きな問題ではないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
現状、想定していなかった、学術的な問題には直面していない。研究計画に従って、研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、3218円で、想定より少しだけ安く、物品を購入出来た結果である。2018年度は、英文校正の費用が、想定よりかかるかもしれず、それにあてたいと考えている。
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