2018 Fiscal Year Research-status Report
顔の想起に着目した未知顔から既知顔へ至る脳機能変化の解明と操作
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17K00207
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
篠崎 淳 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30510953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長濱 宏史 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20725676)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 顔認知 / 顔想起 / 機能的磁気共鳴画像法 / 認知神経科学 / 人間情報学 / fMRI / 多ボクセルパターン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
顔の認知研究には、過去に、未知顔を対象とした研究と既知顔を対象とした研究があるが、未知顔から既知顔になっていく過程に関する研究がない。本研究では、顔の想起しやすさという切り口でこれらを統合することを目指す。 昨年度では、未知顔を事前に学習させた顔を想起させてfMRI実験を実施したが、想起がしづらいことから、本年度では、有名人の顔を想起させて新たに7名の健常者を対象にfMRI実験を実施した。 <行動データ> 顔の想起は主観的経験である。したがって、顔の想起についてこれまでの研究では、被験者が本当に実験者の意図した特定の人の顔を想起したかどうかという担保がとれていなかった。そこで本研究では、本当にその顔を想起したかどうかを数値で示せる課題を新たに考案した。これにより7名中6名にて、主観的経験を客観的数値化することに成功した。 <fMRI実験> 新たに有名人顔を刺激として用いてfMRI実験を、研究分担者の長濱とともに行った。 これら研究の進み具合は、当初申請の通りであり、順調である。今後、fMRI実験で得られた脳活動データについて解析を行う。この際、脳活動の総量とパターンに着目する。近年、脳活動パターンがさまざまな内的表象に関与するという報告が相次いでいる。しかし一方で、従来より、脳活動総量が内的表象に関与するという報告も続いている。そこで顔の想起が、脳活動総量かパターンかいずれに関与するのか明らかにする。明らかになれば、脳活動操作を試み、脳と行動の因果を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
fMRI実験をやり直したが、当初計画の範囲に収まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた脳活動データの解析を実施し、顔の想起が、脳活動パターンか脳活動総量かのいずれに関連するのか明らかにする。特に有名人顔のように多量に学習した場合に着目する。顔の想起に関与する脳領域が明らかになれば、当該脳領域の操作を行う。当該脳領域の操作によって想起しやすさが上昇するかを明らかにし、脳と行動の因果を示す。これらから未知顔研究と既知顔研究を接続する新たな理論構築を目指す。
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Causes of Carryover |
想定より被験者を集めることができなかったために、次年度使用額(謝金)が生じた。 次年度では被験者謝金として使用する。
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Research Products
(8 results)