2017 Fiscal Year Research-status Report
超巨大解空間を構成する組合せ最適化問題に対する革新的アルゴリズムの開発とその応用
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17K00333
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
外山 史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60323317)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタ戦略 / 組合せ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来取り扱うことができなかった超巨大解空間を構成する組合せ最適化問題に対して、超大規模空間の探索に特化したアルゴリズムを開発することである。本年度は、超大規模な2割当問題に対して、可変部分近傍による、効率的な近傍解探索手法を提案した。2次割当問題は、NP困難な組合せ最適化問題の一つであり施設配置問題やVLSIのセル配置問題など応用範囲の広い問題として知られているため、これまでに数多くのメタ戦略を用いた手法が提案されている。しかし、従来手法では、QAPLIBと呼ばれるベンチマーク問題にある問題サイズのみを対象としており、本研究で扱っているような超大規模な問題に対する検討はほとんど行われていない。2次割当問題においては、最良な近傍に移動するために、現在解と近傍解の評価値の差のリストである差分リストを作成する必要がある。しかし、超大規模問題においては、近傍解の数も莫大となるため、差分リストの作成に多くの計算コストが必要となる。本手法では、この差分リスト作成の際に、序盤では、比較的現在解より良い解を見つけやすいため、近傍空間を狭くして探索を行い、後半では、現在解より良い解を見つけにくくなるため、広い近傍空間を探索することにより、効率的に近傍解を探索しながら差分リストを作成する手法を提案した。実験では、超大規模な2次割当問題に対して、提案手法と可変部分近傍を用いない手法、従来の最良移動戦略、即時移動戦略による手法との比較を行い、提案手法の有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超大規模な2次割当問題に対する可変部分近傍を用いた新しい近傍探索法を開発し、その有効性を示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、提案した可変部分近傍による近傍解探索手法を、他の超大規模な問題へ適用することが挙げられる。適用する問題としては、応用範囲の広い組合せ最適化問題として知られている、バイナリー2次計画問題、最大多様性問題などが挙げられる。
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Causes of Carryover |
購入した計算サーバが、予定した価格よりもやや安く購入できたため。繰り越し分は、研究成果発表のための旅費の一部に使用する予定である。
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