2017 Fiscal Year Research-status Report
グラフカーネルを用いた分布推定アルゴリズムの拡張と高性能化
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17K00353
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
半田 久志 近畿大学, 理工学部, 准教授 (60304333)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分布推定アルゴリズム / グラフカーネル / EDA-GK / 進化計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフを個体としたグラフカーネルを用いた分布推定アルゴリズムEDA-GKの拡張を行う.従来,グラフを個体とした進化アルゴリズムでは,遺伝子型から表現型への写像がでこぼこしてしまうために,良い性能を出すことが難しかった.本研究課題では,アルゴリズムの適用範囲を広げることを目標として研究に取り組む.グラフカーネルを用いた個体のサンプリングや,密度推定の方法を丁寧に調べ上げ,その性能評価を行う.並行してOrder/Degree問題への適用を引き続き行い,提案手法の有用性を調べ上げる,また,アルゴリズムの性能を評価する.具体的には,混合的なカーネルの構成や,良好個体にバイアスをかけたサンプリング方法,エリートを積極的に残すための選択方法について,調査し,これらの関連性を調べた.カーネルの種類において,これまでに用いてきた最小距離カーネルは全結合に近い解を探索するときに,機能しなくなることがあることが判明した.そのため,ノードの次数と近隣ノードの次数も考慮したWFカーネルを新たに導入した.さらに,これらの混合カーネルも導入し,その有用性を検討している.ノーフリーランチ定理が示唆しているように,混合したとしても万能なものにはなり得ないが,混合カーネルの混合比を動的に調整できれば,幅広い問題クラスに対して,有用なカーネルができるのではないかと考えている.これは,今後の課題となりうると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LBAであるがOrder/Degree問題にEDA-GKに適用した結果をGECCO2017にて発表し,その後,実験データを拡充し,論文としてまとめ上げた.アルゴリズムの性能評価では,カーネルの種類や,サンプリング方法,選択方法について,調べ,その関連性を論じた.
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Strategy for Future Research Activity |
エッジの「重み」では,数値で各エッジを特性付けることができる.しかしながら,エッジに幾つかの種類が存在するような場合には,平成29年度の研究計画で述べたようなアプローチを採ることはできない. 最小パス距離カーネルの考え方を拡張して,エッジのタイプを考慮したカーネルを案出する:まず,すべてのノードの組合せについて,エッジのタイプを無視して,最小パス距離となるパスを見い出す.各パスについて,パスを構成するエッジのタイプを列挙したタイプの列を作成する.このタイプの列のヒストグラムを作成することにより,グラフカーネルを構成する.さらに,スレッド数の多いGPUを無駄なく効率的に動作させるには,粒度の細かい計算を数多く,できるだけ条件分岐のない計算方法で定式化していく必要がある.最小パス距離だけなく,行列演算として定式化しやすいカーネル関数を導入する.さらに,混合カーネルの混合比の動的な調整も今後の一つの指針である.
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Causes of Carryover |
論文誌JACIIIの支払いが年度を結果として跨いでしまったので,執行できなかったことによる.
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Research Products
(3 results)