2021 Fiscal Year Annual Research Report
Equivalent color perception of color constancy with changing the initial visual information
Project/Area Number |
17K00377
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳永 留美 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80573914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 色恒常性 / 色の見えのモード / 照明の認識 / 色知覚構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、私たちの色知覚における色恒常性についての研究である。色恒常性とは、照明により物理的にシフトした色を、人の視覚系が視覚情報処理において差し引くことができ、結果として物体の表面に属する色が恒常的に見える現象である。本研究では、対象物の表面の色知覚が様々な周辺視覚情報に影響されることを心理物理手法により定量化し、色恒常性等価知覚の構造のモデル化を試みた。 対象となる物体表面の色知覚は、周辺視覚情報に影響され、実験では、テスト刺激に対して「床面」、「背面」、「床面と背面と側面」の3条件が設定された。対象物となる物体は7色(白、灰、赤、黄、緑、青、紫)と彩度の低い4色(赤、緑、青、紫)のマンセル色票で、照明光色は6色(白、赤、黄、緑、青、紫)が設定された。実験では、1色の照明光により照明された1枚のテスト色票が観察者に提示され、観察者はエレメンタリーカラーネーミングにより色票の見えを応答した。 今年度は、取得しているエレメンタリーカラーネーミングの結果について、異なる周辺視覚情報の影響についての解析を実施した。結果を色と明度の3次元表示にすると、紫と緑の照明で特に分布が偏っていた。u'v'色度図(CIE1976)上における分布は、他の照明とも差異がないことから、照明の分光分布の影響が考えられる。色構成要素を比較すると、照明の下にあるテスト色票の測色値は同じであるにも関わらず、有彩色の色票が無彩色の照明下にある場合より、無彩色の色票が有彩色の照明下にある場合の方が、黒みの割合が多く判定された。色みの割合については、有彩色の色票が無彩色の照明下にある場合よりも、無彩色の色票が有彩色の照明下にある場合の方が、周辺視覚情報の違いによる変化量が大きいことが示された。
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