2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on function of common cold storage using multiple cryptocurrency wallets
Project/Area Number |
17K00445
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
森山 真光 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00283953)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 暗号通貨 / 秘密鍵 / ブロックチェーン / コールドストレージ |
Outline of Annual Research Achievements |
暗号資産の市場規模は20兆円以上で利用者数は3,000万人以上であるが、暗号資産の紛失や盗難は後を立たない。暗号資産の紛失や盗難はほとんどの場合が、基盤技術であるブロックチェーンや分散型台帳技術のデータが書き換えられたのではなく、利用者の秘密鍵が紛失もしくは盗難にあったため発生している。 個人で秘密鍵を管理する方法には、紙に秘密鍵を印刷したペーパーウォレットや専用端末であるハードウェアウォレットがある。暗号資産取引所で数万人の秘密鍵を管理する方法には、二段階認証ログインをはじめ暗号資産ウォレットをネットワークにつながっていない安全な場所で管理するコールドストレージを複数の秘密鍵で署名しないと送金できないマルチシグ の組み合わせがある。このように暗号資産ウォレットの秘密鍵の管理手法は数万人を扱う取引所もしくは個人では実践されている。 本研究ではその中間に位置した未だデファクトスタンダードのない同一敷地内に配置された100個程度の暗号資産ウォレットを対象に利便性と安全性のバランスの取れた秘密鍵の管理手法の確立を目指す。ユースケースとしてはブロックチェーンや分散型台帳技術の教育やEコマース運営者の決済への活用を想定している。 本研究ではワンボードマイコンをコールドストレージ として、複数の暗号資産ウォレットと取引情報であるトランザクションを送受信するプロトコルを策定し、実証実験を行った。通信手段としてはUSBとBluetoothのシリアル通信方式、およびmicroSDカードとNFCの記憶媒体方式で実験を行った。また、暗号資産の秘密鍵を管理する教材を作成し、学生や社会人を対象にブロックチェーンのセミナーで活用した。これらの成果を情報システム学会全国大会や日本生産管理学会全国大会などで発表した。
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