2017 Fiscal Year Research-status Report
ブラウジング型探索タスクの解明とその支援手法に関する研究
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17K00449
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高久 雅生 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00399271)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブラウジング型探索 / デジタルアーカイブズ |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラウジング型探索の特徴を見きわめるため、1) 既存の情報探索を対象とする探索タスクを分析する。2) くわえてブラウジング型探索の現れやすいタスク特徴を明らかにするため、複数の資料コレクションを対象としたプロトタイプシステムを構築し、その評価実験の検討を行った。 第1のデータセットとして、国立教育政策研究所教育図書館が所蔵する戦前教科書コレクションのデータセットを対象に、ブラウジング型探索支援の手法を適用する。この際、教育図書館でサービスに用いている教科書分類や教科書検定制度に基づく情報を抽出しておき、これらをLOD技術により構造化したデータをもとに、ブラウジング型探索の観点に設定する手法の検討を行った。 第2のデータセットとして、筑波大学附属図書館の協力を得て、所蔵資料を探索するOPACアクセスログの分析に着手した。実サービスでみられる典型的な探索タスク課題の特徴抽出を行うため、ユーザセッションを抽出し、検索支援に役立てる手法の検討に加えクエリからの特徴量の抽出のための方法論を検討した。また、クエリログを利用したOPAC検索手法の改善効果についても検討を進め、簡易なプロトタイプシステムを構築した。 以上、本年度は、ブラウジング型探索の支援手法のための基礎的な分析と調査を行った。上記2点の研究対象に対する分析結果については来年度初頭に口頭発表を予定しており、順調に研究進捗をはかれている。これらの成果を発展させ、来年度は本格的な探索実験のための手法の検討とプロトタイプシステム構築に移りたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のデータセットに対応する探索手がかりの抽出と分析、検索支援手法の検討が順調に推移している。今後、それらの成果の発表に続き、具体的な探索支援のための観点の抽出ツールの構築に進みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に構築した複数のデータセットの分析を引き続き進め、新しい探索支援手法の検討に資する成果を得る。 あわせて、ブラウジング型探索の手がかりを用いた探索実験を設計する。探索実験にあたってブラウジング型探索の特性を扱うための課題設計を行う。特にブラウジング型探索を促進するためのタスク課題はいまだ明らかでないため、このためのタスク文脈を明らかにするため、ブラウジング戦略が有効なタスク課題を検討する。 実際の探索実験にあたっては、上記のデータセットを用いたプロトタイプシステムおよび通常のベースライン検索システムを用いて、ブラウジング型探索における検索システム間の差異が与える影響を検討し、そのシステムの有効性やユーザに与える影響を測定する。 ユーザ実験結果を分析し、実験課題その予備的探索モデルを検討する。構築した予備的探索モデルをもとに、ブラウジング型探索を支援する提案手法を実装する。
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Causes of Carryover |
プロトタイプシステムの開発およびそのシステムを利用した予備実験を予定していたものの、一部の開発進捗に遅れが生じたため、その開発費および検索実験等のための謝金等を次年度にまわすこととした。あわせて、開発サーバも費用効果の高い外部サーバを利用することにより、費用の圧縮を図ったため、一部の費目を次年度の開発費用に回すこととした。
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Research Products
(2 results)