2019 Fiscal Year Annual Research Report
How Platforms Are Reshaping Scholarly Communication?
Project/Area Number |
17K00451
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三根 慎二 三重大学, 人文学部, 准教授 (80468529)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学術コミュニケーション / プラットフォーム / オープンアクセス / エコシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,学術コミュニケーションにおけるプラットフォームに関わる問題として,撤回論文のデジタルプラットフォーム上での提供状況を調査した。Web of Science(SCI,SSCI,AHCI)に収録された,2000年から2018年の全撤回論文約1万件から無作為抽出した2500件を対象に,Google,Google Scholar,Sci-Hubを検索・識別した後に,以下の項目について確認した。各論文の公式プラットフォーム(出版社のEJプラットフォーム)では,ランディングページにおける撤回情報の有無および提供方法,論文本文の全文提供の有無,OA状況,撤回情報の有無および提供方法を,それ以外のプラットフォーム(ResearchGateや機関リポジトリなど)では,上記の項目に加えて,プラットフォームの種類,提供ファイルのバージョンについてマニュアルチェックを行った。その結果,公式プラットフォームにおいて,約1割の論文本文が撤回情報を付与されずに提供されている,約65%がOAであること,その他のプラットフォームでは,主にSci-Hub,ResearchGateなどのSNS,主題リポジトリで論文本文が提供されており,7割弱が非出版社版(Version of Record)のファイルで,撤回の事実が示されないまま放置されていることがわかった。以上から,学術コミュニケーションのプラットフォームにおけるガバナンスという点において,非出版社はもとより出版社でさえも十分な対応ができていないことがわかった。
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Research Products
(2 results)