2018 Fiscal Year Research-status Report
Multidisciplinary Research for Spreading of FinTech: Toward Building the Social Design
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17K00463
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
羽石 寛志 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (30363419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 敏彦 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (00411504)
野方 大輔 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (20614621)
児玉 弘 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (30758058)
神津 多可思 関西大学, ソシオネットワーク戦略研究機構, 非常勤研究員 (40598942)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | FinTech / 学際的研究 / アンケート調査 / キャッシュレス / QRコード決済サービス / イベントスタディ / テキストマイニング / 個人情報保護法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経済学・経営学・法学の学際的視点から、FinTechの普及による社会・経済的なインパクトを定量的に明らかにし、必要とされる政策・法律についての示唆を与えることにある。 平成30年度は、1) 公表されたデータを用いて株価に関する統計分析、2) キャッシュレスに関する調査分析、3) 大規模イベントにおけるキャッシュレス導入実験、4) 科学技術の進展が法制度・法理論に与える影響に関する考察、などを行った。 1) については、FinTechに関するアナウンスメントが平均超過リターンに与える影響は、概ね確認されなかったことが明らかになった。2) については、キャッシュレスの利用に関する調査をイベント参加者を対象に実施し、また金融教育とキャッシュレスの関係の調査を高校生を対象を実施した。3) については、大学祭の模擬店にてLINEPayを日本初で導入しその利用者に対するアンケート調査を実施した。4) については、FinTechをはじめとする技術の進展が法制度・法理論の再構成を迫っているということを確認した。 また、平成30年12月に放送大学佐賀学習センター公開講座、平成31年3月に佐賀大学経済学部講演会にて本研究成果の一部を報告し情報発信に努めた。 今後より精緻なアンケート・インタビュー調査を行うために、本研究に関連する調査結果を用いた分析を進めている。なお、これらの本格的な分析については平成31年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度中に、FinTech企業を対象としたアンケート調査を実施する予定であったが、その対象企業抽出のための条件やサービスの急速な進展があったため、それを踏まえて平成31年度に実施することとした。その代わり、研究メンバーが別途実施したイベントでのキャッシュレス導入実験及びFinTech利用に関する調査・消費者のキャッシュレスに関する調査・高校生の金融教育とキャッシュレスに関する調査の結果を用いた分析を行い、それを平成31年度の調査に反映する予定である。また、法状態・事実状態の変更が法制度・法理論に与える影響について、一定程度先行研究が蓄積している大規模教協事業、原子力発電所を対象に検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、年度始めにアンケート・インタビュー調査を実施しそのデータを用いた実証分析、公表されたデータを用いたコーポレートガバナンスの統計分析や経営パフォーマンス分析を引き続き行う。 また、個人情報保護法に加えて、FinTech対応法を受けて改正が予定される諸業法ないし消費者保護法について、それぞれの立法資料等を用いて当該法改正の趣旨及び射程を正確に定位する。 これらの研究成果をまとめ学会・公開講座などで報告し、査読付学術誌への投稿を目指す。なお、研究代表者が佐賀県キャッシュレス推進化協議会の委員となったことから、協議会にて成果発表を行い社会に対して研究成果を還元する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度までに実施する予定のアンケート調査について、調査内容及び調査項目の選定に時間を要した。また、当初予定していた金融機関の調査と並行して新たにキャッシュレス決済の利用状況の実験及び調査に注力することとし、これらの調査を平成31年度に行うこととしたため繰越額が生じた。 この繰越額は平成31年度に実施する調査及びキャッシュレス決済の実証実験に利用する。また、残りの繰越額については、購入予定であった書籍等の発刊時期の変更などにより、購入できなかったために生じた。これらについても、平成31年度に利用する予定である。
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Remarks |
佐賀大学大学祭にてキャッシュレス決済導入実験(2018年10月20日-21日)/放送大学佐賀学習センター公開講座「“キャッシュレス”で何が変わる?」(2018年12月1日・羽石寛志)/第5回 CRES Workshop (地域課題探索プロジェクト中間報告会)【佐賀大学経済学会と共催】「キャッシュレスデイ」(2019年3月7日)(共催:佐賀県高度情報化推進協議会、佐賀地域経済研究会 後援:佐賀県)
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Research Products
(18 results)