2020 Fiscal Year Research-status Report
数式入力のインテリジェント化と数学eラーニングへの発展的応用に関する研究
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17K00501
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福井 哲夫 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70218890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数式入力インタフェース / 知的学習支援システム / 数学eラーニング / 知的UI / 機械学習 / 理数系IT活用教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,インテリジェント数式入力UIに人工知能技術を導入して,数学eラーニング時に,数学の思考過程などの数学文書をデジタルに記録しやすくする数式エディタを開発して,グラフ作成も含め学習過程を支援するシステムを構築することにある. 平成29年度から平成31年(令和元年)度までに,インテリジェント数式入力インタフェースの発展的応用として開発してきた次の3つのシステム:(1)数学文書エディタ,(2)スマートデバイス向けUI,(3)グラフ作成ツールの被験者実験による評価を実施し,従来ツールより操作時間の効率の良い結果が得られ,その有効性を示すことが出来た.また,数式入力インタフェース部分のAI予測変換エンジンの計算速度が大変遅いという新たな課題も,年度の後半に解決し,大きな成果が得られた.それらの成果を国内外の学会や論文に発表して,当初の最終年度(令和元年度)までに約95%程度は目標を達成した.しかし,これらの成果システムを公開用サーバに構築し,多くの人に試用できるようにする予定であったが,新型コロナウィルスの影響で整備に至らなかった.また,3月に成果の発表を予定していた情報処理学会第82回全国大会,国際会議IUI2020は開催中止となった. しかも,令和2年度は,新型コロナ感染拡大の影響が長期化し,本務担当授業の教材を整備し,遠隔に対応するための教育に時間を割く必要が生じ,1年を通じて,研究のために割けるエフォートほとんどない状態となり,本研究課題の遂行をやむなく中断した.したがって,令和2年度の本研究課題における研究実績はない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度コロナ禍により遂行できなかった残りの課題として,研究成果を広く国内外の学術会議等で発表し,かつ公開サーバを通じて成果システムを公表する計画を,当初は令和2年度まで研究期間を延長し,遂行する予定であった.しかし,令和2年度もその影響は長期化し,研究成果を発表するための準備も公開システムの整備も時間的に遂行できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,延長した研究期間に,残りの目標である研究成果の発表・公開を遂行したいと考える.令和3年度前半は,インテリジェント数式入力インタフェースの発展的応用として開発してきた(1)数学文書エディタ,(2)スマートデバイス向けUI,(3)グラフ作成ツールを多くのユーザが使いやすいように整備し.成果システムのサーバ公開を実現する計画である.最後に,研究課題の成果を論文にまとめるとともに国内外の研究集会にて発表したいと考えている. 成果発表に関しては今年度も国際会議等がオンライン開催の傾向が続くため,当初予定の旅費・交通費は大幅削減できるかも知れない分,低下した研究エフォートをカバーするため,サーバシステム整備の委託費に費やす計画である.
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Causes of Carryover |
令和元年度末に,研究期間を1年延長申請した時点では,まだ,緊急事態宣言までは出されておらず,大学の教育体制が大きく変わるとまでは予想できず,1年以内に遂行できるものと考えていた.しかし,上記研究進捗状況で報告したように,令和2年度は,新型コロナ感染拡大の影響が長期化し,本務担当授業の教材を整備し,遠隔に対応するための教育に時間を割く必要が生じ,1年を通じて,研究のために割けるエフォートほとんどない状態となり,本研究課題の遂行をやむなく中断した.そのため,旅費・交通費およびサーバ整備費が執行できなかった.繰越額は,上記研究推進方策に基づいて,次年度に執行していく.
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