2017 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of the humus-like substances on polycyclic aromatic hydrocarbons in atmosphere aerosol under long-range transport
Project/Area Number |
17K00519
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 泰朗 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 助教 (90303932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄谷 肇 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (10169659)
山田 悦 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (30159214) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腐植様物質 / 大気汚染物質 / 長距離輸送 / SPM / PM2.5 / 熱分解GC/MS / PAHs / n-Alkanes |
Outline of Annual Research Achievements |
エアロゾルの採取は、2017年度からハイボリウムエアサンプラー(PM2.5分粒フィルター付)を用いて京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス研究棟5F 屋上(地上約20m)で7 日間毎にSPMを捕集ろ紙上に採取した。また、大気からの沈着による湖底質について評価するために、近畿圏に存在し、堆積層が土砂の急激な流入などが無く安定している滋賀県余呉湖の湖心部(2017年7月)と大陸からの近畿圏への越境汚染の中間地点にある島根県隠岐の島男池の湖心部(2017年8月)の底質コアをそれぞれ採取し、堆積層別に分離した後に凍結乾燥し、固体粉末試料とした。 捕集ろ紙試料に含有する化学成分を評価するため、熱分解GC/MS分析装置を用いて検討を行った。熱分解GC/MS分析装置の熱分解炉には分析に必要な試料が捕集されたろ紙をすべて導入できなかったため、石英ろ紙の表面だけ削り取り試料カップに入れて分析を行った。その結果、熱脱着温度である300℃の条件で分析を行った結果、脂肪族炭化水素(n-Alkanes)を炭素数別に相対評価することに成功した。n-Alkanesを期限別に解析するために炭素数優位性の指標であるcarbon preference index (CPI)値評価した。その結果、冬に化石燃料燃焼の影響が高く現れ、春から夏及び落葉の秋に高等植物由来の影響が大きくなった。また、熱分解条件600℃で熱脱着条件(300℃)で脱着した試料をそのまま600℃の熱分解炉に導入するダブルショット測定法により評価を試みた。 捕集ろ紙試料から腐食物質を分離する方法について検討を行ったところ、ハイボリウムエアサンプラーで回収出来たろ紙試料3枚分すべてを用いても5mg以下の試料しか得られなかったため、腐植様物質の製精についてさらに検討を行う必要が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な試料の採取はスムーズに行うことができた。しかし、SPM試料からの腐植様物質の抽出ができていない。このため、抽出操作をすることなく大気中の光分解を再現する実験方法を検討する予定である。また、2017年度に採取済みの湖底質試料は、凍結乾燥後、熱分解及び熱脱着GC/MS分析法により検討を行っている。また、PAHsについても現有のヘッドスペースGC/MSを用いて熱脱着条件で分析する方法についても検討を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
腐植様物質を生成することなく大気汚染物質との相互作用について検討する方法を検討する予定である。現在準備を進めている方法としては、腐植様物質とPAHsを含んだ捕集ろ紙試料に太陽光シミュレーターにより光照射し、PAHsの濃度変化と腐植様物質の簡易水抽出による蛍光特性の評価により相互作用について検討を行う。本法では、前処理をほとんど必要としないため、化学処理による化学組成の変化を受けない点で優れているといえる。 底質試料中及び捕集ろ紙試料中のPAHs濃度の測定については、ヘッドスペースGC/MS分析装置を用いた方法を検討しており、こちらについてもこれまでの煩雑な前処理を必要としないためにより正確で迅速な分析方法の確立が期待される。
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Causes of Carryover |
旅費の計算により年度末調整があり、46250円の残が発生した。大きい額でないため次年度の物品費に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)