2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of the humus-like substances on polycyclic aromatic hydrocarbons in atmosphere aerosol under long-range transport
Project/Area Number |
17K00519
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 泰朗 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (90303932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄谷 肇 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (10169659)
山田 悦 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (30159214) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PAHs / Py-GC/MS / TD-GC/MS / HS-GC/MS / EGA分析 / HULIS / PM2.5 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気中腐植様物質(HULIS)とPAHsとの関係について検討を行った。大気中PM2.5には多環芳香族炭化水素(PAHs)含まれ、大気中における物質動態を推測するための指標物質としてこれまで多くの知見が得られている。しかし、大気からろ紙上に捕集されたPM2.5から微量のPAHsを溶媒抽出法で取り出して動態を観測するのは非常に煩雑な操作が必要です。そのため、本研究では、熱脱着(TD)法によりろ紙上のPM2.5からPAHsをオンラインで分析する方法を検討しました。分析定量はガスクロマトグラフィー質量分析計(GC/MS)を用いました。PM2.5には腐植様物質などPAHsと強く相互作用する有機物質や触媒的に分解に関与する金属元素が多く含まれています。これまで、いくつかのTD-GC/MS法による分析が検討されていますが、5環、6環のPAHsでは回収率(分子量フラグメントのイオン強度の相対値)が非常に低くく、マトリックスとの吸着や分解の影響を強く受けて定量性に問題がありました。 本研究では、ろ紙に捕集されてPM2.5からPAHsを高効率で回収する方法として熱抽出助剤の添加と分離過程における活性点の影響を抑制する分析保護剤の両方を試料に添加を試み、良い回収率が得られることを確認しました。 また、HULISの動態を観測するために、複雑な化学処理を必要としないマルチショットパイロライザー(フロンティアラボ)とGC/MSを組み合わせ、発生ガス分析と熱脱着・熱分解条件による分析によりHULISの化学特性解析を実施しました。
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