2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of mechanism for exacerabting symptoms of asthma patients by metals contained in ambient dust
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17K00567
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
道上 義正 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (90190678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重金属 / 大気粉塵 / 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
フローサイトメトリーにより細胞表面マーカーであるCD63とCD203cの発現を指標として好塩基球の活性化を検討する好塩基球活性化試験を用いた。アレルギーを持つ者の全血にアレルゲン(ダニ抗原Dfやスギ花粉抗原Cryj1)を添加し、化学物質(多環芳香族炭化水素類;PAH)が存在する時にさらに活性化するか検討した。PAHが存在すると、アレルゲンによる好塩基球の活性化がさらに増強されることが確認できた。 慢性咳嗽(気管支喘息、咳喘息、アトピー咳)患者の血液を用いて、PAHや重金属に反応し易い者を調べることができるか、アレルギーを持つ者の血液を用いて以下の点などを検討した。1. 1名にかかる実験時間(調べる条件数(数種類のアレルゲン濃度やPAH濃度を検討)が多い)、2. 血液採取後、実験を開始するまでの時間(1日に複数名患者がいた場合、採血時間が異なるので、同時に実験を開始できるかどうか)、3. 反応後、固定し、翌日の測定でも可能かどうか。1日で検討できる人数は2~3名、採血後4時間まで使用可能、翌日でも測定可能だが当日測定のほうが良いことなどが分かり、患者の血液を用いて測定する時にどのような点に注意すれば良いか確認した。 金沢大学附属病院の呼吸器内科で慢性咳嗽患者のリクルートを開始した。研究内容を説明して同意を得たのち、アレルギー日記を渡して症状(咳など)の記録を依頼した。同時に、大気粉塵の捕集も開始し、含有する重金属やPAHの測定を行なった。金沢地方気象台のホームページにある気象情報や、環境省がモニターしている大気汚染物質情報の収集も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好酸球様培養細胞を用いてスーパーオキシドアニオンの産生を指標とし、アレルギー疾患で重要な役割を果たす好酸球に対する重金属の影響を調べる研究は開始していないが、慢性咳嗽患者のリクルートなどが予定より早く進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
好酸球様培養細胞を用いた検討を開始する。 慢性咳嗽患者のリクルートを続ける。リクルートした患者の症状と大気粉塵中重金属との関連を検討し、重金属により影響を受け易い患者と受けにくい患者を把握し、それらの患者の血液を用いて好塩基球活性化試験により、重金属に反応し易い者は、重金属により好塩基球の活性化が増強するか検討する。
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Causes of Carryover |
残額は少量であり、次年度の研究費とまとめて使用した方が効率が良いため,次年度研究用消耗品の購入に使用する。
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