2019 Fiscal Year Annual Research Report
Monitoring of PPCPs in STP effluent and evaluation of their potencies to alter susceptibility to infectious disease in fish
Project/Area Number |
17K00583
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 免疫毒性 / 医薬品 / 下水処理水 / コイ / Aeromonas salmonicida |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの実験で,コイ(Cyprinus carpio)にAeromonas salmonicidaを感染させた場合の発症率は,コイの体サイズおよび飼育温度,A. salmonicidaの培養温度に依存する可能性が考えられた。化学物質の免疫毒性を検出するためには,再現良く感染症を誘発する試験条件が必要となるため,今年度は試験に用いる魚体サイズおよび培養温度と感染実験期間中の水温を検討するために,2つの独立した実験を行った。 体サイズの異なるコイからなる個体群(大:7尾[約8 g],中:10尾[約4 g],小:14尾[約1.6 g])を,それぞれ20 Lの飼育水で飼育した。実験1では3群ともに25℃で飼育し,2群に20℃で培養したA. salmonicidaを感染させ,1群を非感染区とした。実験2では4群を準備し,2群を水温20℃で,残りの2群を25℃で馴化し,各温度区のコイに対し20℃または25℃で培養したA. salmonicidaを感染させた。いずれの実験においても,死亡した個体はその都度,感染後14日目まで生存した個体は麻酔をかけた上で,体長,体重および外観症状の有無を記録した。 実験1および2ともに,体サイズに依存した発症率の違いは見られなかった。実験2において,A. salmonicidaの培養温度は20℃の方が,感染実験時の飼育水温は25℃の方が明らかに高い発症率を示した。25℃で飼育した区では,一部の個体で症状の回復が見られた。以上の結果から,本研究で用いた体サイズの範囲であれば,A. salmonicidaに対する感受性はほぼ同等であると考えられるため,試験目的に応じたサイズの選択が可能となった。また,A. salmonicidaは20℃での培養が望ましく,25℃ではA-layerが失われて病原性が低下すると推察された。感染実験は20~25℃の範囲で実施可能だが,25℃では発症率が80%に達するため,外観的症状の有無をエンドポイントとする場合は,やや低めの水温で実施することが望ましいと考えられた。
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Research Products
(3 results)