2019 Fiscal Year Annual Research Report
Laser Plasma Control by Short/Long Pulse Coaxial Dropping for Metal Scrap Sorting
Project/Area Number |
17K00620
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柏倉 俊介 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10589956)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DP-LIBS / 空間分布 / 積分強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザープラズマ発光分光分析法は非常に高速な応答が得られる元素分析手法であり、その高速応答性から主に金属精錬の現場における元素濃度のリアルタイム分析の手法としての導入が期待されているが、レーザーパルスのエネルギーや照射点の性状や雰囲気などによるレーザー誘起プラズマの生成の不安定さを要因とした定量性の低さが課題とされてきた。最終年度においてはレーザーの照射点周辺の雰囲気制御、即ち低圧希ガス雰囲気の生成を行うことによるレーザー誘起プラズマの安定性の改善について特に試みた。試料には各種のアルミ合金を用い、アルミ合金の性能と品番を決定する元素であるCu, Mg, Si, Znの4元素についてその空間分布を2次元分光器とICCDカメラにて時間分解を行いながら撮影した。その結果として、それぞれの元素のイオン線においてはICCDカメラにおける信号応答の内部遅延を考慮するとパルスレーザー照射後からおよそ100ns後に全面積積分強度の極大値が得られその後時間の経過とともに単調に減少するのに対して、原子線においては100ns程度で一度極大値を取ってその後減少するが、500nsを超えたあたりから再び全面積積分強度が増加する現象が確認された。この再び強度が増加する現象については、上位準位に励起されている脱励起光から段階的に脱励起光が出現するStep-wise De-excitationであろうと考えられ、以上の内容は現在学術誌へ投稿中である。なお上記の減少についてダブルパルスLIBSとの比較を試みるべく試料上の同一点への照射を幾度となく試みたが、真空チャンバーの内部に存在する試料に対する照射は肉眼での確認もCCDカメラを用いた確認も非常に困難であり、今後の課題である。また、上記の条件を定量分析に応用し、ステンレス鋼中の添加元素について定量分析を高い正確度で行うことに成功し、学術誌に掲載された。
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