2018 Fiscal Year Research-status Report
To avoid the side effects of molecularly-targeted agents by functional food and exploration of biomarkers for immune prediction.
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17K00871
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 夏子 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (60535293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正紀 北海道大学, 大学病院, 准教授 (70431319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 経口抗がん剤 / ディフェンシン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、従来のものより副作用の少ない経口抗がん剤として分子標的薬が注目されているが、特有の副作用である消化器症状が高頻度に発現することから使用に関して課題は多い。このような背景から、免疫賦活による副作用軽減を期待し、治療と併用してサプリメントを使用するケースが増えているが、エビデンスに乏しいものも多く存在するため、併用によるリスクおよび有用な食品成分の特定が急がれる。また、免疫の中心となる腸管をターゲットとした食品成分のリスク評価に関しては生体機能への影響を考慮して評価している報告は少ない。本研究では、分子標的薬の免疫低下の機序を解明し、治療に対して有用な食品成分を見出すことを目的とした。当該年度においては、分子標的薬による免疫低下の機序および有用な機能性食品成分を同定する目的で、培養細胞を用いて、食品および分子標的薬併用によるα-ディフェンシン、TLR4、EGFR mRNAおよびタンパク質発現量への影響を評価した。分子標的薬にはエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、食品成分にはパルミトレイン酸やDHA等の機能性食品として汎用される脂肪酸類、ダイゼイン等の大豆イソフラボンを使用した。腸管由来株化細胞に分子標的薬および各脂肪酸を曝露し、α-ディフェンシンおよびTLR4、EGFR mRNAおよびタンパク質発現量に及ぼす影響を調べたところ、パルミトレイン酸を併用することにより分子標的薬曝露によって低下したα-ディフェンシンの発現を回復させることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子標的薬と食品成分を併用することにより、分子標的薬による腸管免疫低下を軽減させることを明らかとした。初年度としては概ね予定通り進めたものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、一部の食品成分の併用が分子標的薬による腸管免疫低下を軽減させることを明らかとした。したがって今後については、予定通り生体外からα-ディフェンシンの評価を行うべく、血中マーカーとなる物質を探索する。
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