2018 Fiscal Year Research-status Report
研究倫理・技術者倫理適合型ケースメソッドの実践的研究と学習効果の検証
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17K01069
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
安居 光國 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40200498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大来 雄二 金沢工業大学, 付置研究所, 客員教授 (40594180)
下村 直行 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90226283)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アンケート / 授業効果測定 / 技術者倫理 / 仮想事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,公正な態度・行動が求められる研究倫理・技術者倫理に適合したケースメソッド教育実践とその検証である。そこで,すでに多くの高等教育機関で実施実績のある共通化アンケートを利用し,ケースメソッドによる効果則的を測定する。 30年度は, 1.共通化アンケートを38教育プログラム,約2300名の学生に対し行い,教育環境と技術者倫理の理解との関連性を調査した。調査の一部はアンケート用紙によって実施したが,多くはWEBを経由したスマートフォンの利用をし,速やかな入力,分析につなげた。その後の簡易分析を速やかにし各教育機関にフィードバックし授業改善に活用していただいていた。分担研究者はそれぞれの教育機関の特徴を抽出し,全国平均との差異を明らかにし,教育内容,方法との関連性を示し,学会で発表した。 2.共通化アンケートはこれまで,授業後に授業前の数値との比較から分析がはじめていたが,授業での伸長度すなわち授業効果の高いプログラムの特徴を分析した。これより,授業開始時に研究公正に関わる項目値が高いほど授業効果が高まることが明らかになった。このことは,授業開始直後あるいは開始前に多くの要素ではなく,一部の要素を強化することで教育効果が格段に向上することを示唆していた。これらの内容は学会で発表した。 3.仮想事例をあらたに設計した。このため,既存の事例について比較検討を行った。 4.授業効果と実際の授業を比較するために,代表者は分担者の授業現場を観察し,具体的な比較をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では30年度は,1.教育環境と課題との関係の視点で,共通化授業アンケートの実施と分析。2.ケースの要因分析である。 共通化アンケートは38教育プログラム,約2300名の学生に対し実施され,教育プログラム間の比較をするにたるデータが得られた。分担者は,それぞれの分野の視点でこれらのデータを分析し,学会等で発表した。また,過去のデータとの比較分析も行うことができた。とくに,共通化アンケートはこれまで,授業後に授業前の数値との比較から分析がはじめていたが,授業での伸長度すなわち授業効果の高いプログラムの特徴を分析した。これより,授業開始時に研究公正に関わる項目値が高いほど授業効果が高まることが明らかになり,学会で発表した。以上より,共通化授業アンケートの計画部分は「当初の予定ど以上に進展している」と評価した。 仮想事例の要因分析は進められたが,その集計方法が解決していない。しかしながら,事例の小さな改変および問いかけの変化によって,被験者の心情(内面的な行動喚起)に変化を与えることが明らかになった。この内容は学会で報告した。以上より,「おおむね順調に進展している」と自己評価した。 総合的には「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
31年度も共通化授業評価アンケートを継続する。アンケートの総合的な分析のほか,改修に向けた議論をする。 事例作成は,階層的分析を利用し積層構造をもった創作方法を開発し提唱する予定である。とくに,技術者の内面的な行動を喚起するような事例開発を予定している。また,これらの評価分析を進める。 さらに,最終年として網羅的解析を目指す。
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Causes of Carryover |
前倒し支払いを申請したため。この目的は,30年度中に使用するためでなく,31年度の当初に分担者が分担金を受け取るまでの期間の継続的な研究遂行をするためである。そのため,この金額は主に謝金に,次に交通費に充てられる。
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Research Products
(7 results)