2018 Fiscal Year Research-status Report
『21世紀型小学校音楽室』のためのデジタル教材の開発と教育効果の実証
Project/Area Number |
17K01158
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
深見 友紀子 大東文化大学, 文学部, 教授 (10283053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
井手口 彰典 立教大学, 社会学部, 准教授 (00469412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デジタル教材 / タブレットPC / 音楽アプリ / プログラミング的思考 / 小学校音楽科 / 音楽学習環境 / 楽典 / 音楽づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
第7次学習指導要領において情報活用能力が学習の基盤として位置づけられ、各教科等の学びの過程においても、ICTを適切に活用した学習活動の充実がより一層求められるようになっている。 本研究の目的は、タブレットPC用音楽アプリの活用を進めるとともに、教科書会社が発行するデジタル音楽教科書を補完するデジタル教材を考案し、その効果を実証することを通じて、21世紀型小学校音楽室の在り方を提案することである。 初年度の実績を踏まえ、本年度は、1)プログラミング的思考の育成、協働学習のためのアプリ活用実践と開発、 2) “歌唱”“器楽”指導・解説映像アプリの制作と実践、検証を行う予定であった。 1)については、教科書の内容を精査し、音楽科の本来の学びとプログラミング的思考の育成とが両立するアプリ活用について、引き続き考察・分析中である。しかし、映像制作に関しては協力者がみつけられなかったこと、大手会社が“歌唱”“器楽”指導等デジタル教材を発売したこと、大学を移籍したばかりで研究環境を整えることが遅れたこと等から、2) については中断をするしかなかった。ただし、市販のデジタル教材がCD-ROMで提供されており、今後はウェブコンテンツが必要であるという考えのもと、既存のコンテンツを実験的にウェブ版に作り変えてみる等を行った。2)が中断した一方、楽典(音楽の仕組み)に関するデジタル教材(ウェブ版)を現在制作中である。 本研究の最終目標であるデジタル学習環境の整備と『21世紀型音楽室』モデルづくりのための基礎文献収集に関しては、継続的に行っており、次年度には著書を発刊予定である。また、音楽科教育でのICT活用に関する意見交換会「学びを深めるICT活用―音楽科教育の未来を考える―」を新たに立ち上げ、今年度2回度開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初に研究代表者が勤務校を移籍したことや、研究の概要に記述したとおり、“歌唱”“器楽”指導・解説映像アプリの制作と実践ができなかったこと等が原因で研究が進まず、やや遅れている。 研究期間を一年延長することなども視野に入れ、平成31年度以降、真摯に研究に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述した理由により研究に遅れが出ているが、平成31年度には、音楽科の本来の学びとプログラミング的思考の育成との両立を目指したアプリ活用実践を、「音楽インフォーマルラーニング」の形で実践する。 著書「音楽科教育とICT」(仮)を発刊するとともに、「楽典」に関するデジタル教材の制作に関しては、論文としてまとめ、投稿する。 音楽科デジタル教材の在り方について見解を示すとともに、昨年度立ち上げた、音楽科教育でのICT活用に関する意見交換会「学びを深めるICT活用―音楽科教育の未来を考える―」を継続的に実施し、広い見地から音楽科教育とICTの発展に貢献したい。
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Causes of Carryover |
平成30年度に行った、海外渡航(ブエノスアイレス、2019年3月)の精算が翌年度になったこと、“歌唱”“器楽”指導・解説映像アプリの制作と実践、検証を実施できなかったことによって、次年度に使用額が生じた。使用計画は、今後の研究の推進方策で記載したとおりである。
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