2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K01159
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
神月 紀輔 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 教授 (20447874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 多津 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (40237045)
堀出 雅人 華頂短期大学, 幼児教育学科, 講師 (50710638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報モラル教育 / ネットいじめ / ソーシャルネットワーキングサービス / 初等中等教育 / 情報教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,従前より行っている,情報モラルの啓発活動に関して,大学生77人を対象に予備的な調査を行い,検証を行った。調査の内容は,よく使うSNS(Social Networking Service)や,そのSNSでネットいじめなどの被害を受けたことがあるか,また,小学校・中学校で受けてきた情報モラルの授業の有効性や,その形式による有効性などである。 その結果,小学校や中学校で情報モラルに関する啓発活動を受けてきた学生は,ネットいじめなどの被害にあうことが少なかったことがわかった。またSNSの利用がフェイスブックが少なく,インスタグラムが多くなっていることも確認された。さらに,大学生が有効性を感じている啓発活動は,講演会形式よりも担任や学級単位で行われる授業であることがわかった。この内容は,2017年度の日本教育情報学会年会で口頭発表を行い,学会員から,このような内容は現職教員へ知らせるべきであるなどの意見をいただいた。 この結果を基に,小中学校における普通教室での啓発活動をどのようにするべきか研究を進めており,ディスカッションを用いた教材などの開発をすすめている。この途中経過は,2017年度の日本教育実践学会全国大会で口頭発表を行い,参加者から研究を進めるための助言をいただいた。 授業の進捗を観察するために,全生徒の状況を把握するための360度カメラの導入を考え,現在試行中である。保存容量等の問題があり,さらに検討が必要である。 また,海外の学会での研究成果の発表なども計画はしていたが,そこまでの成果がまだ得られていないため,本年度は見送っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は予備調査を実施し,啓発活動に関して,検証は行ったものの,教材の開発や,他の啓発活動の精査など,資料はあったものの,研究に至らなかった部分もある。特に,LINEを使ったいじめ相談などは,本年度多く行われており,その精査や有効性に関してもう少し踏み込んだ研究を進める必要がある。しかし,上記の検証により,小中学生が大人になった時の啓発の効果を測定でき,さらに小中学校においては学級単位の指導が効果的であることが確認され,また経年で使うSNS(Social Networking Service)も変化してきていることから,教材の開発には道筋を立てることができた。また,学会において口頭発表を行うことにより,研究協力者以外の方の意見をうかがうことができ,発表としてまとめることで,研究の進捗を客観的に見ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の調査をさらに人数を増やして行い,昨年度得た知見が年代が代わると変化するのかを調べていきたい。情報モラル教育は時代とともに移り変わる教育なので,今必要とされる教育を客観的に見る必要があり,しかもその検証を行う必要があると思われる。そのため,大学の新入生を中心とした調査を行いたい。 その調査から得られた知見を併せながら,情報モラル教育における啓発指導に役立つ教材の開発を行っていく。対象者は小中学生ではあるが,調査の内容によっては,教職員向けに考える必要もあり,また啓発を進めるうえで小中学生の保護者層にもどのように啓発を勧めればよいか考えていく。最終的には持続可能な教材にする必要があり,単にあるSNSにのみ効果のあらわれる指導にならないように,考えていきたい。
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Causes of Carryover |
物品費に関しては,調査の処理等に機器購入を考えていたが,学内の調査は,学内で導入された新しいLearning Management Systemを利用することにより,購入せずに行うことができた。また,啓発活動が計画より少なかったため,人件費・謝金を使うことが少なかった。 2017年度は,成果が不十分と判断したため,国際学会での発表を見送った。そのため,旅費に使う予定であった額が大きく残ることとなった。また,国内学会においても参加した学会が全国大会でありながら開催地域が,近畿圏に集中したため,その費用を残すこととなった。 2018年度は国内の学会も遠い地域での開催が予定されており,さらに国際学会への参加を予定しているため,その使用が見込まれる。また,物品についても,新しい機器との入れ替えが必要なもののあり,昨年度より多く使う可能性がある。学生による授業支援も細分化している小中学生の授業理解のために授業補助を考えており,その使用を見込んでいる。
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Research Products
(2 results)