2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of operation histories of assistance support system for 2nd public transportations
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17K01256
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
菅原 一孔 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (90149948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 尚生 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (10263485)
笹間 俊彦 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (80362896)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経路探索システム / 路線バス / 公共2次交通 / ロケーションシステム / Webアプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は本研究計画の初年度にあたり,本研究計画の基礎的な部分ともいえる利用者の利用履歴を取得するためのシステムの設計開発とその実装を行った.研究目的でも述べているとおり,本研究計画では我々が開発し,一般の利用者へ提供しているバスネットという経路探索システムを積極的に利用する.このシステムは,大学の研究成果を地域社会への貢献という目的で還元することを目的に運用しているものである.その経路探索アルゴリズムとしては,ノード間が全結合されたグラフから最短経路を探索する新しいものを独自に開発して,それを実装し実用化している点,学術的な面からも評価されているものと考えている.路線バスなどの乗換案内システムも多数存在するが,それらはいずれも駅から駅,あるいはバス停からバス停の間の乗換情報を提供するものであり,しかも駅やバス停での乗換えしか許さず,目的地や出発地などの周辺にどのようなバス停が存在するのか,あらかじめ分かっている利用者しか利用できない.これらの点がバスネットシステムと決定的に異なる点であり,バスネットのシステムは他にはない利便性を持っている.その結果,一月に6万件を超えるアクセス数を得ており,社会的にも利便性の高いものとして受け入れられているシステムであると自負している. 研究初年度にはこのような多数に上る利用者の利用履歴を,詳細に取得するシステムの構築を行った.この利用履歴を取得するためのサーバは,現在運用しているバスネットシステムを運用するためのサーバとは独立して構成し,両者は緊密な情報の授受は行うが,バスネットシステム自身の運営上には一切影響を与えず,大量のデータを取得するようシステムの構築に工夫した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は3年間を想定しており,本年度は次年度以降開発を目指すシステムの利用状況を解析するためのもととなる利用履歴を記録するシステムの構築を行った.本記録システムは現実に稼働しているバスネットシステムの利用履歴を記録するものであるが,その動作に負荷をかけないようにするため,履歴を記録するシステムは別の計算機サーバ上に構築した.上記は当初の計画通りであり,本研究計画の遂行はおおむね順調に推移していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画2年度にあたる次年度は,本年度に開発した利用履歴を記録するシステム上 で実際に利用履歴を取得しながら,その評価を行うための解析システムの構築を行う.具体的な解析を計画している例として,利用者履歴から以下のような解析を想定している. Ⅰ. 利用開始時間と,提示された解析結果から,その利用者がどのようなタイミングでバスを利用しようとしたかが読み取れる.すなわち,バス利用の直前かある程度時間を置いた利用計画のための経路探索であるかなどである.Ⅱ. 利用履歴から直接的に利用端末の種類が判明するので,それと上記Ⅰの結果との相互関係なども読み取れる.具体的にデータのない現状では,例えば,スマートフォンや携帯端末からは,バス利用直前の経路探索が,パーソナルコンピュータなどからはある程度時間を置いたバス利用計画のための経路探索であると予想しているが,その真偽を調べる.なお,この解析結果から,もし上記の予想が正しい場合には,スマートフォンからの利用の際には経路探索時の出発時刻として,現在のものを利用するなどして,利用者が入力しなければならない項目の削減など,システム利用における利便性の向上のためのシステム改良に利用できるものと考えている.Ⅲ. 利用者の多いであろうバス停名が読み取れるものと期待している.Ⅳ. Ⅰ.で述べた解析,ならびに利用者が多いであろう時間帯を読み取れると考えている.上記Ⅲ.とⅣ.から利用者の多いバス停や,それを利用する時間帯が読み取れるため,バス運行計画をするうえで重要な指針を与えることができると思っている. これらはあくまで現時点で評価できる内容の例を示しているが,実際に本システムを稼働後は,バスネットに関連し連携しているバス事業者や,県庁をはじめとする公共交通の実施者とも緊密な連携を取りながら有効なデータの取得,ならびにその解析に努める.
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Causes of Carryover |
研究成果の発表場所が,研究計画申請時に想定していた際には未定であり,実際に開催された会場が想定していた場所とは異なったため.
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