2019 Fiscal Year Annual Research Report
Big Data Analysis in Net Market
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17K01281
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
三道 弘明 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40167440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 健作 兵庫県立大学, 経営学部, 非常勤講師 (30126487)
木庭 淳 兵庫県立大学, 社会情報科学部, 教授 (90177882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 通販 / 店舗型小売り / ネット通販 / 社会厚生 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立情報学研究所を通して楽天株式会社から研究用に提供されたデータから,適切な需要関数を同定することには無理があったことは,既に報告したとおりである.ネット市場における需要関数を同定するには,店舗評価や各店舗の規模などに関する情報が必要であると考えられ,こうしたデータが研究用に利用可能となるまで待つ必要があるであろう. 本研究では,提供を受けたデータを念頭に置きつつ,ネット通販に代表されるような通信販売による小売業と,店舗型小売りの寡占市場を対象とした数理モデルの構築を試みた.この上で,店舗型小売りのみが存在する場合に比べて,通販の存在が社会厚生を大きくするための条件について分析を行った.この結果,通販にはリードタイムの存在や,現物を見ずに購入した際に発生する種々のトラブルなど,(1)通販特有の不便さが存在し,これをある程度まで縮小すること,さらに(2)小売りの店舗数がある程度にまで減少した場合に,通販の存在によって社会厚生が大きくなることが明らかとなった. 現在,ネット通販市場の拡大によって,店舗型小売りの存続が危ぶまれており,店舗型小売りは自然淘汰されてある程度の規模にまで縮小されてしまう可能性が大きい.同時に,ネット通販においては,商品の検索や注文に対する時間的・空間的制約を受けないという長所を活かしつつ,短所であるリードタイムの短縮や,新たに浮上してきた再配達の問題などを解消する目的で,様々な取り組みがなされている. このような現状は,明らかに上に述べた二つの条件を満たす方向に向かっていることを意味しており,社会厚生全体が大きくなりつつあることを示唆していると考えられる.
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Research Products
(4 results)