2020 Fiscal Year Research-status Report
経済効率性を考慮したいじめにおける傍観者行動の研究
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17K01282
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊佐田 百合子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00351867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井垣 伸子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40151253)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 傍観者行動 / いじめ / 集団行動 / 数理モデル / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目的は,シミュレーション実験において,傍観者の行動を現実に即したものとすることであった.前年度の研究において,傍観者によるいじめを報告するか否かの反応の範囲が大きければ,対象者の人数には関係なく,いじめを収束に向かわせる可能性があることが明らかになった.いじめを報告するか否かの反応の範囲は,コミュニティ内での繋がりの状況の強さや弱さ,関係性の深さで計測することが可能なのではないかと想定し,傍観者の行動をシミュレーションするに当たり,関係性やつながりの要素を組み込むことを検討した.一方で,今年度になって,コロナ禍で急速に社会のオンライン化が進展した.この動きは,不可逆であることが想定できたため,インターネットやSNSの利用とその影響を考慮して傍観者行動をシミュレーションする事の必要性が感じられた.そこで,それらが可能となるように,SNSの利用状況に関する調査と,社会における人々のつながりに対する意識に関して調査を実施して,その分析を行った.その分析結果は,56th IISES International Academic Conferenceのオンラインセッションにおいて報告した.また,その内容は,Proceedings of the 56th International Academic Conference, Lisbonに掲載されている.その結果を利用して,シミュレーション環境の基本的な設定の精度を向上させることに取り組み,シミュレーションプログラムの改善を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
傍観者の行動を現実に即したものとするために,シミュレーション環境の修正を行い,追加実験を行う予定であったが,コロナ禍による社会のオンライン化が進展するなど,急速な変化の状況を迎え,ネット社会における状況を考慮する必要があると判断して,インターネットを用いたコミュニケーション上の問題の調査を行うこととしたため,当初予定の内容から若干の遅れが生じている
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,現状を分析するために,さらに追加の調査を行い,その分析結果も加味して,傍観者の行動を現実に即したもに修正を加えてシミュレーション実験を試みる.
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Causes of Carryover |
国際会議に参加する予定であったが,コロナ禍のために,バーチャルカンファレンスへの参加に変更となったため,学会参加に関わる費用に変更が生じた. 次年度に国際会議に参加する際の費用に繰り延べる予定であるが,引き続きバーチャルカンファレンスへの参加となる場合は,次年度に予定している追加の調査の費用に充当する予定である.
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