2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01358
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 由弥子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20403496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸濱 功太郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60712792)
松香 芳三 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90243477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボツリヌス神経毒素 / 神経障害性疼痛 / SNAREタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、眼窩下神経を結紮した三叉神経障害性疼痛モデルラットを用いて、A型ボツリヌス神経毒素(BoNT/A)が三叉神経節でSNAREタンパク質(soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor)のSNAP-25を切断して神経伝達物質の遊離を阻害することにより疼痛抑制効果を発揮することなどを明らかにしてきた。 ボツリヌス療法では反復投与により中和抗体が産生されて治療を継続出来なくなることがあるので、それに備えて、本年度はA型以外の血清型のBoNTによる神経障害性疼痛治療の可能性を検討した。 まず、ラットから三叉神経節および後根神経節を摘出して、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/Gの基質であるシナプトブレビンとBoNT/Cの基質であるシンタキシンの発現をウェスタンブロッティングにより調べたところ、三叉神経節および後根神経節においてシナプトブレビンとシンタキシンが発現していることを確認した。次いで、ラットから三叉神経節組織を摘出して、分離培養した三叉神経節初代培養細胞に、ボツリヌス菌から精製したBoNT/B(B-okra株由来)またはBoNT/C(C-stockholm株由来)を投与して、シナプトブレビン、シンタキシンの切断をウェスタンブロッティングにより調べた。BoNT/Cによるシンタキシンの切断は確認出来ていないが、BoNT/Bの投与によりシナプトブレビンのバンドが消失することを確認して、BoNT/Bによっても神経障害性疼痛治療が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画をしていた抗がん薬誘発性神経障害性疼痛モデルの作製は未だ出来ていないが、次年度以降に計画をしていたA型以外の血清型のBoNTによる神経障害性疼痛治療の可能性を示せたので、おおむね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の研究計画のとおり研究を推進する。
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Causes of Carryover |
(理由) 物品を安く購入できたこと、また本研究費で出張をしなかったために、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 動物実験や培養細胞実験を推進するために、動物や細胞培養関連試薬等の購入に充てる。
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Research Products
(2 results)