2019 Fiscal Year Annual Research Report
Preclinical study on botulinum toxin therapy in treatment for neuropathic pain
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17K01358
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 由弥子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20403496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸濱 功太郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60712792) [Withdrawn]
松香 芳三 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90243477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボツリヌス神経毒素 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛は種々の原因により発症するが、その発症機序が十分に解明されていないために、治療が困難となっている。我々は、眼窩下神経を結紮した三叉神経障害性疼痛モデルラットを用いて、A型ボツリヌス神経毒素(BoNT/A)に物理的損傷による神経障害性疼痛を抑制する効果があることを示してきた。他の原因により引き起こされる神経障害性疼痛に対するボツリヌス神経毒素の有効性を調べるために、本年度は、前年度に作用機序の異なる2種類の抗がん剤を用いて作製した抗がん剤誘発性神経障害性疼痛モデルラットにおいて、BoNT/Aの疼痛抑制効果を調べた。 プラチナ製剤のシスプラチンあるいはビンカアルカロイド系抗がん剤のビンクリスチンの腹腔内投与により神経障害性疼痛(機械的アロディニア)を発症したSprague-Dawleyラットの右側頬髭部にBoNT/Aを投与した。そして、ラット顔面部の左右両側でvon Frey試験により機械刺激に対する逃避行動の閾値を測定したところ、シスプラチン誘発性神経障害性疼痛モデルラット、ビンクリスチン誘発性神経障害性疼痛モデルラットのいずれにおいても、BoNT/A投与側(右側)だけでなく非投与側(左側)でも閾値の回復が観察された。このことから、BoNT/Aは物理的損傷による神経障害性疼痛だけでなく抗がん剤により誘発される神経障害性疼痛にも有効であることが明らかとなった。また、片側に投与されたBoNT/Aが両側性の疼痛抑制効果を示すことも明らかとなった。 種々の原因によって発症する難治性の神経障害性疼痛の治療において、ボツリヌス療法は新規の治療法として期待される。
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Research Products
(3 results)