2022 Fiscal Year Annual Research Report
Biomechanical studies of the response of vascular endothelial cells to osmotic stress
Project/Area Number |
17K01381
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
宮崎 浩 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (00263228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 浸透圧 / 内皮細胞 / バイオメカニクス / アクチンフィラメント / 力学的特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低張液・高張液による浸透圧負荷が,血管内皮細胞のF-アクチン/ストレスファイバー構造および力学的特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 1) 培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を等張液,高張液,または低張液に曝したところ,低張液を作用させると時間とともにストレスファイバー構造が変化する様子がみられた。平行平板型流れ負荷装置を用いて,培養HUVECsに高張または低張液による4時間の流れせん断応力(2 Pa)を作用させたところ,低張液を作用させた場合には,低密度培養した細胞ではストレスファイバーの量が少なくなる傾向がみられ,コンフルエントの細胞では低張環境の影響は僅かであった。高張液の場合にはストレスファイバーにほとんど変化はみられなかった。
2) 培養HUVECsに等張液,低張液または高張液を30分間作用させた後,細胞を剥がしてマイクロピペット吸引試験を行った。高張液,低張液を作用させた細胞の弾性率には,それぞれ上昇,低下する傾向がみられた。また,低密度あるいはコンフルエントに培養したHUVECsに等張液または低張液を所定の時間作用させ後,細胞を剥がしてマイクロピペット吸引試験を行った。低張液に曝すと血管内皮細胞の強度が低くなる傾向がみられ,低密度培養した細胞の方がその程度は大きかった。培養HUVECsに,等張または低張液によって4時間の流れせん断応力(2 Pa)を作用させた後,流路中央部の細胞のマイクロピペット吸引試験を行った。低張液中に静置した細胞の弾性率は小さくなる傾向にあったが,流れを負荷すると,その程度が軽減される傾向がみられた。
3) 低張液に曝したHUVECsの体積変化を単一細胞で経時的に調べた。細胞の体積は10~20分後にかけて25~50%程度増加し,その後,徐々に体積を回復させるが60分後でも元の体積には戻らなかった。
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