2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全患者における下肢陽圧負荷心エコー法の臨床応用
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17K01412
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西條 良仁 徳島大学, 病院, 医員 (40794285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 博胤 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 特任教授 (40380084)
瀬野 弘光 徳島大学, 病院, 医員 (10794026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医用超音波システム / 臨床心臓学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,下肢陽圧負荷心エコーを用いて僧帽弁通過血流波形パターンが変化する症例に対し,治療介入を行うことで心不全患者の予後改善につながるか検討を行うことである.現在は,下肢陽圧負荷施行のため,対象となる疾患および症例の選定をおこない本研究へのリクルートをおこなっている.また,下肢陽圧負荷と他の負荷試験の比較検討を行うためにエルゴメーター負荷装置を購入した. 本研究に関連する心筋虚血による左房機能への影響および癌治療関連心機能障害に関し検討を行った. 左房機能は,僧帽弁通過血流波形パターンに影響を与える重要な因子である.左房機能が低下していた場合,僧帽弁通過血流波形パターンのA波が低下するため,下肢陽圧負荷による反応に差が出る可能性がある.そのため,心房機能に影響を与える可能性のある心筋虚血(虚血枝毎)による左房機能への影響を検討した. また,虚血性心筋症同様に癌治療関連心機能障害の重要性が近年増している.癌治療関連心機能障害は左室収縮能低下で定義されている.しかし,心筋内の内膜障害を機序とするならば,収縮能低下に先立って拡張能が低下してくる可能性が示唆され,早期検出に下肢陽圧負荷が有用である可能性がある.癌治療を施行した患者において,左室拡張能を含めた癌治療関連心機能障害のリスク層別化に有用な因子を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,現段階では患者のリクルートをおこなっている.対象となる患者のリクルート数が少なく予定の症例数にまだ達していない.引き続き症例のリクルートをおこなう. また,本研究に関与する,心筋梗塞の虚血枝による左房機能への影響,がん治療関連心筋症のよる心不全発症に関する研究を進めており,学会でも発表をおこなっている.こちらの研究は順調に進行しており,患者のリクルートと並行し研究を継続していく.
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Strategy for Future Research Activity |
虚血性心筋症を含む慢性心不全患者を対象とし,症例のリクルートを引き続きおこない,同時に予後評価もおこなっていく. また,癌治療関連心機能障害の高リスク群に対しても下肢陽圧負荷試験を施行し,リスク層別化に有用であるか検討する.バリデーション研究とし,負荷試験による比較(下肢陽圧負荷,エルゴメーター負荷)もおこなう.
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Causes of Carryover |
統計解析およびデータ管理のため,パソコンソフトウェアの購入をおこなう.
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Research Products
(2 results)