2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathogenic mechanism of taste disorder associated with amyloid beta accumulation, and development of the early diagnosis method for Alzheimer's disease.
Project/Area Number |
17K01416
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
橋本 弘司 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (20237936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 味覚閾値 / リッキングテスト / 味覚行動学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新たなMRI技術(位相差強調画像化法:PADRE)を用いて、βアミロイド沈着によるアルツハイマー型認知症の味覚障害を非侵襲かつ早期に見出す診断法の確立を目的としている。令和2年度は味覚閾値検出装置の評価及び改良に関して取り組んだ。 味覚閾値検出装置がフロリダ州立大学で1990年代に開発されてからおよそ30年になる。これまで、この機械を用いたラットやマウスの味覚閾値や味覚嫌悪学習などの研究により、味覚と脳の関係や、記憶学習の機構が次第に明らかになってきている。しかしながら、味覚閾値を検出するための効率的な味溶液の提示方法に関しての詳細な検討はほとんど行われていない。従来の方法では、濃度の異なる味溶液の提示をrandomに行い、味溶液を10sec提示するごとにDWを1sec提示(rinse)し、提示総時間30minで実験を行ってきた。そこで今回、提示順やrinseの有無、時間の条件を変えて計測を行い、従来法で計測したデータと比較し有意差を調べ、どういったプロトコルが有効か以下の3つの項目について検討した。1:rinseの有り無しで有意差があるか、2:random提示かserial提示かで有意差があるか、3:提示時間短縮で影響があるか。もし、従来の方法より計測時間を短くできればテストの回数や1日にテストする動物の数を増やすことができ、また、ラットへのストレスも減らすことができると考える。 MELQUEST社製のリッキングテスト装置を用いてプロトコルの検索を行った結果、従来法でのリッキングテスト装置を用いたラットの味覚行動学実験とプロトコルを変えた今回の実験結果より、rinseあるいは提示順のランダマイズの必要性はなく、テストの総時間も短縮できる可能性が示唆された。一方、動物の溶液へのアクセスに関して、飲み口の形状に大きく左右されるため、改良すべき課題が見つかった。
|