2018 Fiscal Year Research-status Report
筋電位から随意運動を推定するリハビリ支援ロボットのための促通的訓練システムの開発
Project/Area Number |
17K01491
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
林 良太 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40288949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩治 岡山理科大学, 工学部, 教授 (00254433)
衣笠 哲也 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20321474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表面筋電位 / 知能ロボティクス / リハビリテーション / 医療・福祉 / 訓練支援 / 技能獲得 / メカトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、「訓練の負担と訓練による上達過程の調査と分析」を目標として、以下の項目に沿って研究を遂行した。 (a)訓練課題の設定と訓練データの収集、および(b)訓練の条件変更による比較:前年度に試作した訓練システムを用いて、ロボットアームを40秒以内で90度の関節角度を往復運動させる操縦課題を設定して、2名の健康な成人の被験者が感じる訓練の負担と訓練による上達過程のデータ収集を行った。訓練は10回実施して、1回の訓練毎の平均した筋電強度の推移を調査した。その際、被験者の手関節を拘束して動かなくした状態で10回訓練した場合と、拘束しないで自由に動かせる状態で10回訓練した場合とで条件を変えて、それぞれの訓練の前後で手関節を拘束しない状態での操縦課題を実施したときの往復回数の結果から訓練効果の比較を行った。結果は、いずれの被験者も手関節を拘束して動かなくした状態で訓練を行った後の方が、往復回数が多くなり訓練効果が高いことが確認できた。また、手関節を拘束した状態での訓練の前後では筋電強度の向上が見られた。一方で、訓練中はほとんどの例で筋電強度が減少する傾向が見られた。訓練後の被験者の感想と合わせると、訓練を継続していく中で被験者の疲労が蓄積していった可能性が考えられる。以上の研究成果を国際計測連合主催の国際会議IMEKO2018(英国ベルファスト)で発表した。その際、研究成果が高く評価され、ベストプレゼンテーション賞を受賞することができた。 (c)訓練装置の改良:これまで、手関節を被験者の手関節を拘束して動かなくした状態で訓練した後の方が、訓練効果が高いという結果が得られているが、このままでは手関節の運動を伴った訓練ができない。そこで、サーボモータとウォームギア、力センサを利用して、手関節の運動を伴いながらも訓練中に安全に抵抗力を与えることのできる装置を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、訓練の負担と訓練による上達過程の調査と分析」を目標としていた。被検者2名で収集できたデータはまだ少ない状況であるが、得られたデータの分析結果は良好であり、訓練条件の変更による効果的な訓練手法の実施可能性および有用性を示すことができた。特に、国際計測連合主催の国際会議IMEKO2018での発表で受賞することができたので、本研究で得られたられた結果は高く評価される成果であったと考えられる。また、訓練の上達過程における被験者の負担に関するデータが得られたので、次年度以降に予定している訓練の負担を軽減しつつ上達を促すシステムの構築に役立てることができると期待される。さらに、手関節の運動を伴いながらも訓練中に安全に抵抗力を与えることのできる装置を試作することができた。この装置の動作確認には成功したが、強度不足のためにシャフトが曲がる問題が生じた。この問題については、再度設計を見直したところ容易に改良できることを確認したので、次年度には考案した装置を用いた訓練を実施できる見通しである。以上から、本年度は概ね研究計画に沿って進めることができた判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度までに得られた研究成果をもとにして、今後は以下の項目に沿って研究を遂行する。 1)操縦訓練システムの改良:手関節の運動を伴いながらも訓練中に安全に抵抗力を与えることのできる装置を改良する。特に、抵抗力を伝えるシャフトをアルミ製のものから真鍮製かステンレス製のものに変更して強度を上げる。 2)促通刺激の適用:前年度までの研究結果から、手関節の運動に抵抗力を加えて訓練を行うと訓練の効果が変わる可能性を確認することができた。そこで、サーボモータとウォームギア、力センサを利用して、手関節の運動を伴いながらも訓練中に安全に抵抗力を与えることのできる装置を適用した訓練を実施する。そして、手関節を自由に動かせる状態で訓練を実施た場合や、手関節を拘束して全く動かせない状態で訓練を実施した場合とを比較して、効果的な訓練方法の開発に寄与する知見を得る。 3)補助低減化手法による訓練支援:前年度に構築した操縦システムにおいて、はじめて操縦を経験する被験者は操縦課題を容易に達成できないことを確認している。そこで、経験の浅い被験者が操縦する際には、表面筋電センサの出力信号の一部の情報だけを用いて、自動制御により操縦課題の達成を補助することを考える。そして、往復回数の評価の値に応じて補助を低減していくことで、訓練時の負担を軽減しつつ上達を促すシステムを構築する。この方法を適用したときの訓練の効果について調査と分析を行う。 4)訓練の実施と評価:効果が高いと考えられる訓練プロトコルを適用した訓練の実施と訓練結果の評価を行い、得られた知見について学術講演会等で研究成果を発表する。
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Research Products
(3 results)