2019 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション効果向上に資する感情調整と認知機能の相互メカニズムの解明
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17K01498
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大星 有美 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (70613975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (10545867)
武内 智康 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (20754188)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感情調整 / 脳賦活 / 前頭前野 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
感情と認知機能の関連性の解明により、認知機能低下予防を目的としたより適切な感情や認知機能への作業療法介入につなげることを目標として解析を実施し、検討を進めている。 健常若年者を対象とし、快または不快な状況を想像する感情調整課題中の脳血流反応を機能的MRI(fMRI)と近赤外分光法装置(NIRS)によって計測した。その結果、感情的な状況を想像している時にfMRIで前頭前野背側部や内側部、島、小脳、側頭頭頂接合部等の賦活がみられ、NIRSでも前頭前野の賦活が確認された。核磁気共鳴スペクトロスコピーによって内側前頭前皮質におけるgamma-aminobutyric acid(GABA)濃度を測定しfMRIによる脳賦活との関係を調べたところ、不快な状況想像時に前頭前野背側部や小脳で両者間に関連性が示された。 また、本年度は主として感情に関わる前頭前野の活動と認知機能間にどのような相互関連性があるのかについて検討した。リハビリテーションにおける臨床場面での導入を視野に入れ、日常的な環境でも測定が可能なNIRSによって測定した感情調整課題中の前頭前野における脳血流変化と神経心理学的検査得点等の行動学的指標との関連性について解析した。その結果、感情を伴う状況を想像する際の脳血流上昇の大きさは論理的記憶検査や文字流暢性課題得点の良好さと関連していた。感情を伴う状況を想像することによる前頭前野の脳血流上昇は記憶や前頭葉機能等の認知機能と関連している可能性があるが、この上昇が主として感情の要素によるものか想像自体によるものなのかについてはさらに詳細な検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施場所及び研究実施体制の変更により、使用する実験装置や測定環境が整わない状況があり研究実施内容の一部を変更する必要から遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したデータのより詳細な解析結果の基づく考察を行う。高齢者のデータについては当初計画から変更が生じたため若年者との比較が難しい状況である。そのため、高齢対象者については今後の検討に向けた予備的データとし、若年データを中心に引き続き分析を実施し結果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
高齢者謝金等で未使用分が生じた。謝金、解析等で必要となるソフトライセンス、成果発表に関連した費用に使用予定である。
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Research Products
(3 results)