2018 Fiscal Year Research-status Report
Habitual Exercise in the Chronic Pain Prevention: Elucidation of the Mechanism
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17K01539
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大道 美香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30581079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
大道 裕介 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50506673)
安井 正佐也 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10723695)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動習慣 / 慢性痛 / 不動化 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体不活動による慢性痛の発症機序の解明のため、ギプス固定後慢性痛(CPCP)モデルラットを開発した。 CPCPモデルラットは、片側後肢をギプス固定し、2週間不動化することで、固定側後肢から始まり反対側の後肢や尾部へと広範囲に拡大する慢性痛を発症する。本研究では、CPCPモデルラットを用いて、身体不活動による慢性痛の予防戦略や新たな理学療法の基盤構築を目指している。 今年度は、前運動(慢性痛発症前自発運動)よる中枢性疼痛シグナル伝達抑制効果の検証を目的として行った。実験には、モデル作製前に2週間の自発運動を実施した群(前運動群)と未運動群を用いた。これまでに前運動群が未運動群と比較して、ギプス除去後5週目に機械痛覚過敏行動の抑制を確認している。そこで今回、前運動により機械痛覚過敏行動の抑制が認められたギプス除去後5週目において、機械刺激に対する中枢性疼痛シグナル抑制効果を免疫組織学的に解析した。この機械刺激強度は、ギプス除去後5週目の未運動群の筋圧痛閾値を用いた。刺激用のプローブを先端に取り付けたプッシュプルゲージで刺激強度をモニターしながら、腓腹筋部に機械刺激を1秒おきに20回行った。筋刺激入力90分後に,脊髄後角において抗c-Fos抗体(神経活動マーカー)陽性神経細胞の総数を画像解析した。前運動群は、未運動群と比較して、c-Fos陽性神経細胞数が有意に減少した。この結果から、前運動による中枢性疼痛シグナル伝達抑制効果が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性痛発症前の前運動による疼痛抑制効果について詳細に解析するため、今年度は、本実験モデルラットに対して前運動を負荷して,末梢性疼痛シグナル伝達の評価を行う予定だった。しかし、末梢組織の検討が思うように進まず、次年度の計画にある中枢性疼痛シグナル伝達の評価を先行して実施した。その評価も免疫組織学的検討において脊髄後角の所見に留まり、脳のペインマトリックス領域の検討および生化学的な解析に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度実施できていない中枢性疼痛シグナル伝達の解析を脳内ペインマトリックスにおいて行う。加えて末梢性疼痛シグナル伝達の評価も行う。前運動を負荷したモデルラットを用い、中枢組織(脊髄・脳幹及び脳)さらに末梢組織(後根神経節及び、筋組織)を採取し、免疫組織学的な解析を進める。さらに筋組織においては、生化学的な解析の遂行に向け検討を進めていき末梢組織の疼痛に関わるメカニズムの解明に繋げていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
前年度,末梢性疼痛シグナル伝達の評価に使用予定だった生化学的な実験の費用を繰り越し,今年度実施する計画に使用する。生化学的な検索としてRT-PCRやWestern blottingの抗体や試薬を中心に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)