2021 Fiscal Year Annual Research Report
Habitual Exercise in the Chronic Pain Prevention: Elucidation of the Mechanism
Project/Area Number |
17K01539
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
大道 美香 金沢医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30581079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984) [Withdrawn]
大道 裕介 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (50506673)
安井 正佐也 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10723695) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動習慣 / 慢性痛 / 不活動 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
慣的運動による慢性痛の予防機序の解明のため、身体不活動により病的疼痛を誘発可能なモデル(ギプス固定後慢性痛:CPCPモデル)ラットを用い、モデル前運動(慢性痛発症前自発運動)を負荷しCPCPモデルラットに生じる疼痛シグナルの伝達抑制効果を検証した。前運動(2週間の前運動負荷)群は未運動群と比べてギプス除去後5週目に機械痛覚過敏行動の減弱が確認された。またその時期において、機械刺激に対する疼痛シグナル抑制効果を免疫組織学的に解析した結果、筋刺激入力後に脊髄後角において抗c-Fos抗体陽性細胞の総数が前運動群において有意に減少し、前運動による疼痛シグナル伝達の抑制効果が示唆された。 前運動群は、走行距離が多い個体において機械痛覚過敏行動が減弱する傾向が認められた。この傾向に着目して、モデル作成前の運動期間を4週間に延長し,機械痛覚過敏行動を経時的に計測した。4週間の前運動群では、広範囲に発症する機械痛覚過敏行動が減弱することが認められ、走行距離依存性に予防できる可能性が明らかとなってきた。 さらにCPCPモデルラットの急性期に確認された固定側後肢の運動器の酸化損傷組織における前運動の効果を免疫組織学的に解析した。運動量依存性に、酸化損傷の程度の抑制が確認できた。前運動による抗酸化能の増大が末梢組織の酸化傷害を抑制する効果が示唆された。 最終年度は、前運動による酸化ストレス抑制に関わる分子シグナルの解析を実施し、病的疼痛の抑制効果を検討した。CPCPモデルラットのキャスト除去後のヒラメ筋において、遺伝子解析を行った結果、酸化ストレスに応答するスーパーオキシドを産生する酵素であるNOX1、2、4の増加が確認されている。この結果をもとに前運動の予防効果の検討を行い、発現の抑制効果が示唆される結果が得られつつある。今後はその結果の確証を得るため例数を増やし検討を進めて行く予定である。
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