2017 Fiscal Year Research-status Report
前庭リハビリテーションの効果を支える神経基盤の解明と効果促進に関する研究
Project/Area Number |
17K01541
|
Research Institution | Shijonawate Gakuen University |
Principal Investigator |
松木 明好 四條畷学園大学, リハビリテーション学部, 教授 (20624026)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 前庭 / リハビリテーション / 小脳 / 電気刺激 / 経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)前庭リハビリテーションで用いられるGaze stabilization exercise(GSE)が、前庭脊髄反射を調整することで直立姿勢を安定化させる(Matsugi et al. 2017)だけではなく、直立姿勢制御における前庭覚貢献度を向上させることを明らかにし報告した(Ueta, Matsugi et al. 2017)。 2)非侵襲的脳刺激方法の一つである低頻度反復経頭蓋磁気刺激を小脳に適用することによって、ごく短時間のsquare pulse galvanic vestibular stimulation(spGVS)に対する脊髄運動ニューロンプール興奮性変調の程度が可塑的に変化するデータが得られた。このことは、ヒトの小脳が前庭脊髄反射興奮性の可塑性に関与している可能性を示唆する。本結果は今年度の学会にて発表予定である。 3)continuous noisy galvanic vestibular stimulation(cnGVS)が直立姿勢安定性を向上させることは知られている。しかし、前庭脊髄反射の変調によってバランスが改善しているのかは明らかではない。そこで、cnGVS後にspGVSに対する脊髄反射興奮性変化の量を一過性に変調させるかを明らかにするために実験を行っているが、まだ必要被験者数に達していない。 4)GSEによって頭部運動中の文字認識能力が向上することはわかっているが、これが頭部運動と眼球運動の協調性向上によるものかは明らかではない。現在、GSE中の眼球運動速度と頭部回旋速度の同時計測を行い、試行回数増大に伴いeye-head coordinationが改善するかを検討している。 5)3、4の実験結果によって、小脳への非侵襲的脳刺激による前庭興奮性可塑性を誘導することができるかを検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
眼電位計測機器の導入、予備実験に時間がかかっている。反復経頭蓋磁気刺激の機器メンテナンスに時間がかかった。被験者リクルートに時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験補助者を増やして対応する。
|
Causes of Carryover |
眼電位と頭部回旋運動を最小規模の実験機器で記録している。計測した一部のデータの解析を行なっているが、部分的に解析に限界が生じている。場合によっては、追加の機器を導入して、再度の実験を行う必要がある。実験補助者を増やすために、その費用がさらに必要となる。完結した実験については部分的に論文執筆を行なっているが、今後、英文校正費用、掲載料が必要となる。マイクロソフトエクセルを使った波形解析を行なっているが、多量の波形を詳細に解析するために新たに解析ソフトが必要となることが予想される。MacのWordソフト更新に伴い、Endnote、統計関係のアドインソフトが対応しなくなったため、これらのソフトをアップデートする必要がある。
|